社会的養護施設第三者評価結果 検索

新潟天使園

【1】第三者評価機関名 (公社)新潟県社会福祉士会
評価調査者研修修了番号 SK16012
19099
22006
24017

【2】種別 児童養護施設 定員 40名
施設長氏名 高野 善晴 所在地 新潟県
URL http://niigatacaritas.or.jp/
開設年月日 2007年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人新潟カリタス会
職員数 常勤職員 18名 非常勤職員 8名
専門職員 社会福祉士 2名 保育士 10名
栄養士 2名 臨床心理士 2名
調理員 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 24室 (イ)設備等 各5ユニット及びグループホームにリビング、キッチン、トイレ、浴室、洗面があり
(ウ) 集会室1か所、心理支援室1か所、相談室1か所、医務室1か所 (エ)
【3】理念・基本方針 【理念】
1.児童憲章を基本とし、カトリック精神に基づいた支援を指針とします。
2.家族や地域社会、関係機関と協働し、子どもの最善の利益を追求しその権利を擁護します。
3.子どもの健全な心身の発達を保障し、安心、安全な気持ちで生活できるよう、最適な福祉サービスを提供します。

【基本方針】
1.個別化の支援
2.社会性の確立
3.信頼関係の確立
4.家庭、地域社会、関係機関との連携
【4】施設の特徴的な取組  児童福祉法に基づき、その対象となる児童とその家族に必要と思われる保護、養育を実践していくことを大切にしている。近年、入所してくる児童とその家族を取り巻く状況が、複雑かつ劣悪化しており、入所以前の環境から強い影響を受け、重篤化してきていることから、支援内容については高機能化、児童養護施設としては多機能化が求められている。
 現在、その必要に応じて、教育や医療等関連領域の専門機関とその専門的支援を含めたケアワークや、他の福祉領域の関係機関とのソーシャルワークを行なっている。この支援経験から、職員一人ひとりが知識技術を高め、組織的な働きかけに努めている。また、地域における子育て支援についても関連つけて取り組みを行っている。
【5】第三者評価の受審状況 2017年04月01日(契約日)~ 2018年03月31日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成26年度
【6】総評 【特に良いと思う点】

○小規模グループケアを活かした養育、支援が行われている。
 施設とグループホームでは、7~8人の子どもを決まった職員が養育・支援する小規模グループケアを導入している。これにより、職員が子どもの気持ちや感情等の変化により気付きやすく、子どもも職員との距離が近く甘えたり感情や思いを伝えやすいといった状況が生まれている。また、ユニットでは異年齢の子どもが共同生活をしているため、高年齢の子どもが下の年齢の子どもの世話をしたり、遊んだりと日常生活を過ごす中で、発達段階に応じた学びを体得することも多い。小規模グループケアでは、子どもの人間関係が限定されることや居室等で職員が子どもの状況を把握しにくくなることなど弊害もあるが、職員はこの弊害も十分に理解して対策を講じている。今回の第三者評価における利用者アンケート調査においても、「職員に何でも相談できる」等の子どもの意見も多く、小規模グループケアの特性を活かして、職員が日々、受容的な態度で寄り添い、子どもの気持ちの理解に努めていることがうかがえた。

○子どもにとって必要な専門的な養育・支援に積極的に取り組んでいる。
 平均勤続年数10年以上と経験豊富な職員が多く、主任や基幹的職員等の幹部職員の専門性、子どもの養育に対する職員の専門的な意識も高い。子どもに過去に起こった出来事や家族のことを理解し、自身の生い立ちやそれに対する感情を信頼できる大人とともに整理するライフストーリーワーク、障がいのある子どもに対しての心理士と連携した支援など、入所している子どもに合わせて職員が学び、子どもにとってより良い環境や支援方法を丁寧に検討し実践している。それを可能としている要因としては、施設長のリーダーシップや、基幹的職員や主任が積極的に職員と共に支援に加わって職員の総意を引き出していること、外部の専門家や関係機関と連携して対応していることが考えられる。また、同じ職員が子どもに長くかかわることができるように、職員のワーク・ライフ・バランスを大切にして長く勤められる環境を作っていることも重要な要因である。

【特に改善が求められる点】

○養育・支援の方針や標準的実施方法の整備が期待される。
 施設で実施されている子どもへの支援等の方法や方針は、先輩職員が後輩職員にОJT(On the Job Training/業務を通した指導・育成)で繰り返し説明したり、定期的な職員会議等で、具体的な子どもの支援を通じて基本的な考え方を職員全体で共有している。また、施設長や基幹的職員、主任等が職員と子どもの支援を共に行い、助言し、あるべき姿を一緒に考える中で、職員間で方針が共有されている。このような実態から、施設の標準的な実施方法等を文書化する必要性は低いようにも見受けられる反面、現在の子どもへの養育・支援の質を維持し定期的に見直して向上させていく意義や子どもに対する専門的な支援を言語化して内外に示す意味からも、方針や標準的な実施方法の整備は重要である。職員間で協議して、養育・支援ごとに施設が大切にしている基本的な方針や標準的実施方法の整備が期待される。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  当施設は改築移転して今年度で2年を迎えました。この間、50年余大舎制の集団生活を過ごしてきた旧園舎の体制からユニット体制に変わり、入所している子どもたちや職員が現在の生活環境を創意工夫しながら生活してきています。運営に関しては、建物だけでなく組織体制や、種々の業務や支援内容について移転によって発生する課題等の解決を想定し、その対応を前提として取り組んできました。移転1年目に比べて、今年度2年目の自己評価について状況を把握したうえで実施してきました。
 今回、受審して感じたことは、移転後の体制づくりに関して全面的に作り変えていくことにこだわり過ぎていたことと、各職員が勤務年数や経験等を入所している子どもたちの生活に反映させ過ぎてはいないかという視点に捉われていたことに気づかされました。建物や支援の取り組み方が変化しても、入所している子どもたちに向き合う今までの姿勢を大切にしながら、今までの取組と合わせてさらに児童養護施設としての役割を果たしていけるように自己研鑚に努めたいと思います。
第三者評価結果はこちら