社会的養護施設第三者評価結果 検索

ふじみ苑

【1】第三者評価機関名 (公社)新潟県社会福祉士会
評価調査者研修修了番号 S24426
SK15158



【2】種別 母子生活支援施設 定員 18世帯
施設長氏名 安部 範之 所在地 新潟県
URL
開設年月日 1949年04月01日 経営法人・設置主体 新潟市(指定管理:社会福祉法人新潟市社会福祉協議会)
職員数 常勤職員 5名 非常勤職員 0名
専門職員 社会福祉士 1名 保育士 2名
精神保健福祉士 1名 臨床心理士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 18世帯 (イ)設備等 平成12年建築の鉄筋コンクリート3階建て 一般居室2DK46.07㎡
(ウ) オートロック、24時間管理人常駐、警備会社セキュリティー契約 (エ) 身体障害者用の専用居室1室
【3】理念・基本方針 子育てが困難な状況にある母子世帯や事実上の母子世帯の母親とその子どもを入所させて保護するとともに、様々な支援を通してその自立を促進する。母子はDVはじめ、多くの課題を抱えており、長期かつ総合的な支援を必要としている。母子の立場を尊重して信頼関係を構築し、ともに課題を解決する視点を持って支援を行う。
【4】施設の特徴的な取組 ・新潟県女性福祉相談所、新潟市配偶者暴力相談支援センターと連携したDV被害者などの一時保護事業に継続して取り組んでいる。
・入所者の安全確保を最優先に考えて宿直員を配置し、施設・設備の充実を図っている。
・施設を運営する新潟市社会福祉協議会の人的ソースを活用して研修などに取り組んでいる。
・入所者優先のもと、職種にこだわらない柔軟な対応、支援を行っている。
・外部カウンセラーによるカウンセリングを入所者・退所者に提供している。
・退所後の来訪・相談に応じ、「実家」としての役割をはたすようにしている。
【5】第三者評価の受審状況 2015年10月01日(契約日)~ 2016年03月28日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成24年度
【6】総評 【特に評価が高い点】
●職員間の協力体制、情報共有のよってチームワークよく入所者支援が行われている。
 職員は入所者の支援や施設運営、関係機関との連携等において職員間で協議、情報共有しながら対応することを基本としている。職員間でのコミュニケーション量が増えることによってチームワーク良く利用者支援が行われている。また、この取り組みによって、職員間の連携が強化されるだけでなく、入所者支援について職員全体で共有しより良い方法を協議、検討しながら行うことによって、職員一人ひとりの専門性の向上にも寄与している。

●安心できる生活環境を整えることで自立に向けた入所者の意欲向上に努めている。
 施設はオートロックで24時間職員が常駐しており、有事には近隣の警備会社の警備員が駆けつける体制を整えている。また、入所時に施設の機能や職員の支援内容が分かりやすく説明された「生活のしおり」を用いて、職員から利用者に施設での安全な暮らしや今後の生活や子どもの保育、就学、生活が安定した後の就労等の自立に向けた支援について丁寧に説明がなされている。安全と安心を確保することで、入所者自身の持ち前の力を発揮しやすいようにし、自立に向けた取り組みに繋げている。

●施設機能や支援の質の向上に向けた、計画的、段階的な取り組みがなされている。
 施設の課題等については、施設長が自己評価や第三者評価の結果、毎年実施している入所者への意向調査等の情報を集約し、把握、確認している。施設長を中心に改善すべき項目が整理され、事業計画等に位置付け計画的な取り組みが行われている。また、この課題解決に向けた各種担当職員の取り組の場面においても、職員間での協議や共有を大切にしているため、取り組みが組織的に展開されている。課題の解決や新たな取り組みについて、前回の評価結果と比べて多くの場面で確実な改善や成果が見られることを、今回の第三者評価でも確認することが出来た。

【改善が求められる点】
●入所者支援に関わる社会資源(関係機関)のトータルマネジメントが期待される。
 施設は市街地に位置しており、入所者が利用できる保育園や公共機関等の社会資源が多く、入所者の支援はこれらの社会資源を利用することを基本にしている。職員は入所者の状況や必要に応じて関係機関と連携して対応しているが、定期的な支援の進捗状況等の確認等を行うまでには至っていない。入所中から、退所後の地域生活を視野に入れてできるだけ地域の社会資源を利用して自立した生活を送れることを施設の基本方針としていることもあり、 入所者の自立支援計画に位置付けた関係機関と定期的に情報交換する機会を設けるなど、関係機関との連携を強化するとともに、必要があれば、施設を含めた入所者を取り巻く社会資源と利用者支援等の目標や役割を共有するための体制整備が期待される。

●職員一人ひとりの更なる専門性の向上のための取り組みが期待される。
 施設職員は各自の専門職務に加えて、職員会議等で入所者支援に対する情報を共有することによって他職員の専門的な技術、技法について学ぶ機会となっている。現状の入所者支援の更なる充実やより多様化・複雑化する入所者ニーズに対応するためには、職員一人ひとりの専門職務に対しての専門性の向上が求められる。求められる専門性の習得に向けて、個別の職員の研修目標や計画等の作成を行うなど、職員の育成に向けた組織的な取り組みが期待される。

●改善に向けた組織的な取り組みが継続できる仕組みづくりが期待される。
 施設の課題に対して解決策を検討し、事業計画等に位置付けるなどしてPDCAサイクルを意識した取り組みが施設長を中心として行われている。しかし、入所者の意向調査、自己・第三者評価結果を踏まえた課題解決に向けた検討、各種支援の標準的実施方法の見直し等、現在実施されている取り組みをいつ・どのように実施するかについてなど、組織として実施時期や検討方法などの取り組み手順を定めるまでには至っていない。現に行われているこれらの取り組みは施設の支援の質の担保に非常に効果的に作用しており、今後も現在の取り組みが継続できるように、方針や実施方法等について定めることが期待される。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 前回の評価に対する取り組みが一定の評価を受けたことは、職員にとって励みとなるものですが、新たな課題も明らかになりました。課題に真摯に向き合い、今まで以上に母子に寄り添っていくため、関係機関とも連携しながら支援の見直しを進めたいと考えています。
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