社会的養護施設第三者評価結果 検索

新潟市立乳児院はるかぜ

【1】第三者評価機関名 (公社)新潟県社会福祉士会
評価調査者研修修了番号 SK15158
SK15083



【2】種別 乳児院 定員 15名
施設長氏名 一ノ瀬 里絵子 所在地 新潟県
URL https://www.city.niigata.lg.jp/kosodate/ninshin/kateiyoikukonnan/harukaze.html
開設年月日 2015年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人愛宕福祉会(設置主体は新潟市)
職員数 常勤職員 25名 非常勤職員 8名
専門職員 社会福祉士 4名 精神保健福祉士 1名
臨床心理士 1名 看護師 4名
管理栄養士 2名 保育士 17名
施設設備の概要 (ア)居室数 寝室3ヶ所、ほふく室2か所・ほふくスペース1か所 (イ)設備等 共有ラウンジ、親子生活訓練室、心理療法室、医務室、相談室、プレイルーム兼会議室 等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 【理念】
 子どもの幸せを第一に考え、一人ひとりをかけがえのない存在としてその尊厳や権利を守り、家庭的であたたかな環境のもと日々大切に育み家庭等へ繋いでいきます。
 すべての子どもの幸福を願い家庭地域への支援に積極的に取り組み、子どもの最善の利益のために尽くします。

【基本方針】
1.子ども一人ひとりの尊厳と権利を守ります
2.子ども一人ひとりを愛情を持って大切に育み成長を繋いでいきます
3.家庭復帰の可能性を第一に考慮し、取り組みを進めていきます
4.地域社会の一員として、地域の子育て支援に取り組みます
5.子ども一人ひとりの幸福のため、職員は自己研鑽に励みさらなる専門性の向上を目指します
【4】施設の特徴的な取組 ○愛着を形成し繋ぐ支援を実施している
 担当養育制をとりながら、子どもの愛着形成を図っている。また、担当養育者がマイドール(手作りの動物のお人形)を作成し、子どもにとってたったひとつの手作りの宝物として育ちの支援のひとつとしている。マイドールは、保護者、里親さんにも繋げられるような工夫も取り入れている。

○家庭的な環境の提供として、3ユニットの小規模グループケアを行っている。

○虐待予防への貢献として、「親子の絆づくりプログラム」(BPプログラム)の講師派遣や地域の親子に向け
て離乳食講座を実施している。

○施設に入所している子どもと家庭を繋ぐ支援として「はるかぜ通信」(個別のおたより)を発信している。

○愛称「はるかぜ」の名前の由来
 当施設の愛称「はるかぜ」は、新潟市の福祉向上に役立てて欲しいとご寄付をいただいた、故・小野芳春さんのご遺志にちなみ、公募により「子どもたちが暖かい“春”の風に包まれているかのように、いつも明るく過ごして欲しい」との願いが込められ名づけられました。
【5】第三者評価の受審状況 2016年06月01日(契約日)~ 2017年03月10日(評価結果確定日)
受審回数 前回の受審時期
【6】総評 【特に評価が高い点】

(1)子どもが安心、安全に生活が送れるような環境づくりに組織的に取り組んでいる。

 開所2年目の施設であり、子どもたちが安心、安全に生活が送れるよう、施設としてはヒヤリハットの積み上げにより、職員全員が共通認識をもって養育にあたるような組織作りに力を入れている。職員から提出されるヒヤリハットは、今後の養育・支援につなげる意識を持ち、小さなことでも記載され、提出した個人が要因・対策まで考察を加えている。その後担当委員会で集計・分析して職員会議に図るという流れができている。職員にもヒヤリハットの活用が浸透しており、職員の意識が「このぐらいは良いだろう」ということではなく、「このことが次の事故等につながらないようにはどうしたらよいか」という考え方となっていることにより、施設を利用する子どもが安心して暮らせる環境づくりにつながっている。

(2)施設長のリーダーシップのもと施設の理念、基本方針が周知され、支援の根幹となっている。

 法人の理念に基づき、施設の理念、基本方針が策定されており、職員に周知されるよう施設長が会議や朝礼、広報紙等の様々な機会をつくり働きかけている。それによって、職員間で養育・支援に対する思いが共有されており、全員で質の向上を目指す組織体として機能している。また、施設長は職員との対話を重視し、施設長自身が基本理念である「子どもの最善の利益」を第一に考えている姿勢が職員にも浸透しており、みんなで施設を作り上げるという意識へつながっている。これにより、養育の現場において、各部門が横断的に連携して、食事や健康面など子どもの発達段階に合わせた生活の質の向上に向けた取り組みが実践されている。


【特に改善が求められる点】

(1)関係機関との連携や体制づくりに期待したい。

 開設2年目の施設であり、組織づくりに対しても力を注いできているが、他機関との関わりや保護者との関わり等についてはまだまだ課題と感じているところである。子どもの最善の利益という観点からも重要な部分であるため、関係機関との連携や施設の役割、また地域との関わりも含めた体制作りに期待したい。

(2)さらなる組織体制づくりに期待したい。

 法人内において、働きやすさや人材育成を重視した体制づくりがなされているが、職員においては、業務量の多さによるワークライフバランスについて課題と感じている人も多いため、業務の確認や優先順位の見直し等、職員の働きやすさも併せた検討が望まれる。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  平成27年4月1日に新潟市様から指定管理として受託し、事業運営をしています。新規施設の運営ということで、乳児院運営指針、第三者評価基準等を施設運営の教科書としながらのスタートでした。今回、開設して1年半での受審となりました。課題だらけで迷走していた部分もありましたが、今回の受審により漠然としていた課題も明確になりました。第三者評価結果から次年度の事業計画への反映、目標管理等への反映ができ次年度に向けて準備をしているところです。
 今回課題となった項目の改善、そして、さらなる質の向上を目指し、当施設の理念に基づき真摯に取り組んでまいりたいと思います。
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