社会的養護施設第三者評価結果 検索

鎌倉児童ホーム

【1】第三者評価機関名 (特非)福祉経営ネットワーク
【2】種別 児童養護施設 定員 80名
施設長氏名 秦 晴彦 所在地 神奈川県
URL http://www.seionkai.or.jp
【3】実施調査日 2014年04月09日~2014年07月17日
【4】総評 ◇特に評価が高い点
○「年齢に応じた性教育に定期的に取り組み、全職員に対しても意識づけを行っている」
施設では性教育委員会を組織し、「いくみ会」として性教育の実践的な取り組みの場を設け、子ども達の年齢や学齢に応じてグループ分けを行い、年4回テーマを設定し勉強会を行っている。勉強会の内容は年齢に応じた表現方法でまとめ、各家のリビングにある本棚に設置することで、取り組んだ内容について子ども自身がいつでも確認できるようにしている。また、個々の職員が意識を持ち、性の課題に対応できるよう、性教育委員会には全職員が委員となっている。
○「子どもの意向把握や意見表出の機会について工夫している」
「児童マニュアル」や「共育ブック」に子どもの言葉に耳を傾ける等の基本姿勢を記載し、子どもを尊重した施設運営を目指している。施設では、意見箱の設置や職員とのコミュニケーションを通した把握だけでなく、年4回「安全安心のパトロール」を実施し、多方向から個別に子どもの話を聞くことができるよう、担当職員、心理士、課長、施設長と、立場の違う職員が順番に対応するしくみを作るなど工夫している。
○「各職員が率直に意見交換できる職場風土が醸成されていることに加え、働きやすい職場づくりに努めている」
子どもの支援や施設運営等について、率直に職員間で意見交換できる職場風土が醸成されている。さらに、職員のメンタルヘルスの流れを文書化して休職から職場復帰の流れを確立したり、今年度から週休2日制を導入する等、働きやすい職場環境づくりにも努めている。結果として離職率が低く、平均在職年数も10年を超えており、中堅職員も含めて安定した職員集団のもとで日々の子どもへの支援が展開できる状態となっている。

◇改善が求められる点
●「アフターケアの記録管理の充実や対応への取り組みに期待したい」
退所者の集まることのできる場として、夏祭りにあわせ年に一度「卒園生の会」を開催しているが、退所者への支援には連絡等があれば対応するに留めており、施設からの関わりは積極的には行っていない。なお、今年度からは「退園児支援シート」の書式を定め、退所者の相談内容や状況などを記録し、データで保管するしくみの構築を始めており、今後の記録管理の充実や具体的な対応への取り組みの推進に期待したい。
●「策定した計画書やマニュアル文書をさらに浸透・活用させる取り組みの充実が求められる」
単年度の事業計画書には、施設全体の年間目標や各種委員会の目標を盛り込んでおり、各職員が目標達成を意識しつつ業務遂行できるようにしている。また、具体的な業務内容を職員間で共有するために、例えば「スタッフズメモリー」というマニュアル文書を作成する取り組みもある。ただし、いずれも着実な実行となるために期間を定めて全体的な進捗管理を図ったり、様々なマニュアル文書を一括して検証する取り組みが十分なされていない点は改善が望まれる。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
初めての第三者評価受診でありました。

 現時点における、鎌倉児童ホームの評価結果として、評価いただいた内容につきましては、真摯に受け止め、出来ているところは継続し、改善すべきところは速やかに改善していきたいと思います。

 基本理念「聖愛一路」聖音会は、「他人の子をわが子の如く、保やすんじて育てる」という創立者のキリスト教の精神に基く聖愛主義の実践(聖愛一路)のもとに設立されました。
聖愛主義の実践とは、利用者も職員も社会の一員として支え合い生かされている兄弟姉妹であることを自覚し、相互の人間性を尊重し、心の通った温かいサービスのもとに、利用者一人ひとりの幸福を追求し、自己もそれによって幸福になろうとすることです。鎌倉児童ホームは、喜びと誇りを持ってこの実践を絶えず行い、福祉事業のもつ社会的責任を果たして行きたいと考えております。

 施設の取り組みとして、関係する人が皆、幸福であって欲しいと願っている。(入所児童のみならず、地域で暮らす子ども達、職員、職員以外にも関わる方すべて)個人と集団・施設と地域等がともに矛盾しないように、最大限の配慮を行って運営を行っております。

 評価結果を踏まえ、社会的養護の下で暮らす児童にとって最善の生活ができるように、今後とも絶えず努力していきたいと思います。
第三者評価結果はこちら