社会的養護施設第三者評価結果 検索

誠心学園

【1】第三者評価機関名 (特非)よこはま地域福祉研究センター
【2】種別 児童養護施設 定員 20名
施設長氏名 嶋津 幸江 所在地 神奈川県
URL
【3】実施調査日 2014年05月30日~2014年11月06日
【4】総評 《施設の概要》
 児童養護施設「誠心学園」は昭和22年に結成された民間婦人団体「横浜婦人クラブ」により、昭和34年(1959年)に設立されました。誠心学園の名前は法人理念「誠の心を大切にし、子どもの可能性を育みます」に由来しています。
 定員は20名、2歳から就学前までの幼児を対象としています。住宅地の中に位置する建物には、乳児院と保育園の乳幼児に特化した施設が併設されています。

≪≪特に優れている点≫≫
【1、子どもとの個別の関わりを通し、自己肯定感が育つようにしています】
保育士1人が1~3人の子どもを担当する担当制をとり、担当との日常のふれあいを通して子どもにとって特別な人であることを理解できるようにし、愛着関係を築いています。生活の場面では、保育士は子ども一人一人を観察し、個別の声かけを心がけています。特に担当保育士は勤務日に子どもと触れ合う時間を持つように努め、誕生日前にプレゼントを子どもと購入したり、クリスマスプレゼントに頼みたいものを子どもに聞いておいて準備したりしています。
職員体制によっては対応が難しいときもありますが、保育士は、子ども一人一人を大切にし、子どもに寄り添い、子どもの基本的な要求を把握し、充足するように努めています。子どもができた時にはほめて励まし、失敗した時は叱るのではなく一緒に振り返りを行うことで、子どもが自分の良さを見出し自己肯定感が育つように支援しています。

【2、家族との良好な関係性を維持するための支援に力を入れています】
家庭支援専門相談員を配置し、児童相談所と連携し、入所から退所まで一貫して家族とのつながりが保てるよう支援しています。入所前には児童相談所と連携して子どもについての情報を共有し、入所後は家族との信頼関係に基づく家族再統合のための支援をしています。家族との面会、外食、一時帰宅等を重ねて家庭復帰を目指していますが、同時に家族から子どもが望まない関わりや不適切な言動を受けないように注意深く子どもを守ることもしています。特に配慮が必要な被虐待児等については、児童相談所と連携し保護者の状況を確認し、何が子どもにとって最善か判断した上で、子どもにとって一番良い形で家族との関係が維持できるように支援しています。
家族に対しては、施設の考え方や子どもの様子、行事等を口頭で知らせたりし、関係性が深まるようにするとともに、家族の思いを受け止め相談にのり、信頼関係を築いています。

≪≪今後の工夫や改善が期待される点≫≫
【1、経営層と現場とのコミュニケーションを深めるための工夫が望まれます】
経験の長い職員が多く、職員間の風通しが良いこともあり、日々の療育・支援での課題は現場での話し合いで対応されています。ただし、運営計画(事業計画)の作成など、施設運営上の課題は法人本部で決定されていて、現場の職員の意見は反映しにくい状況があります。施設長、主任が現場の意見を吸い上げて経営層に伝え、運営計画を始め、経営を取り巻く現状や課題についての経営層の意向を職員に説明するなど、双方のコミュニケーションを深めるためのさらなる工夫が期待されます。

【2、乳幼児専門の3施設の利点を活かすことが期待されます】
同じ建物に児童養護施設、乳児院、保育園の3施設が併設されていますが、それぞれが有する専門性や蓄積してきたノウハウを活かすための取り組みは必ずしも活発とは言えません。専門職がお互いにコンサルティングしあったり、施設の職員同士がそれぞれの現場を見合って見識を深めるなどの交流を行い、各施設が備える専門性や人材がさらに活かされることを期待します。また、このような交流を、地域の子育て家庭の支援にも還元されることを期待します。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 評価いただいた内容につきましては真摯に受け止め、今後の養育に活かしていく所存です。
 個別担当制の養育と家族再統合へ向けての関係機関との連携支援に良い評価をいただきましたが、これを励みにしてなお一層の努力をしていきます。
 今後、併設しています乳児院と保育園との特徴を活かした3施設の取り組みと地域との関係が構築する方法を模索していきたいと思います。
 改善点の指摘につきましては、経営層と意見交換できる方法を検討します。
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