社会的養護施設第三者評価結果 検索

相模原南児童ホーム

【1】第三者評価機関名 (特非)ニッポン・アクティブライフ・クラブ ナルク福祉調査センター
評価調査者研修修了番号 SK15068
SK15064
SK15063


【2】種別 児童養護施設 定員 45名
施設長氏名 曽我 幸央 所在地 神奈川県
URL http://sagamihara-minami.chusinkai.net/
開設年月日 2014年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人中心会
職員数 常勤職員 25名 非常勤職員 2名
専門職員 社会福祉士 3名 保育士 9名
児童指導員 9名 臨床心理士 1名
栄養士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 5ユニット 1ユニットに児童居室8部屋(全室個室) (イ)設備等 1ユニットにリビングルーム、ダイニングルーム、風呂2か所、トイレ3か所、洗面所
(ウ) 相談室2か所 静養室 心理療法室2か所 図書室・書庫 (エ) 親子訓練室2か所 地域交流室
【3】理念・基本方針 【私たちの使命】
私たちは、私たちが活動する地域社会において、自分や自分の大切な人が抱える心身の障害や生活環境上の問題によって、様々な「不自由」「生きにくさ」を現に経験し、または経験するだろうリスクを有する人々に対して、適切な専門性の担保された養護、介護、及びこれに関連する諸サービスを提供することを通じて、誰もが自分の存在に誇りを持ち、生きる喜びを享受するとともに、自分の家族や隣人の存在を素直に喜ぶことができる社会づくりに貢献します。

【私たちの目指す姿】
私たちは、常に前向きであり、成長すること、困難に立ち向かうこと、人の幸福に貢献することにこのうえのない喜びを感じる職員集団による、調和と活力に満ちた働きによって、私たちが活動する地域社会において、養護、介護、及び関連する諸サービスのもっとも信頼される提供者となることを目指します。

【私たちの信念】
尊厳・・私たちは、すべての人間は、一人ひとりが「かけがいのない存在」であり、生きる価値を有するということを信じます。
公正・・私たちは、私たちが地域社会において存在するためには、私たちの行う行動が常に公正なものでなければならないと信じます。
有能・・私たちは、私たちの使命を実現するためには、私たちが、私たちの能力を常に向上させるために努力し、私たちの提供する養護、介護、及びこれに関連する諸サービスをより効果的なものとすることが必要であると信じます。
協働・・私たちは、私たちの使命を実現するためには、私たちが、私たちの活動する地域社会に根を張り、地域社会を育てるとともに、地域社会に支えられるという、協働の精神を重んじるべきであると信じます。
革新・・私たちは、私たちの使命を実現するためには、既成概念にとらわれず、新しい発想のもとで組織運営に取り組む努力が永続的に必要であると信じます。
【4】施設の特徴的な取組 乳児院との合築施設で全室小規模ユニット(6人~8人)で運営している。特定の養育者との愛着関係や基本的な信頼関係を基盤に切れ目のない養育支援を行っている。全室個室を完備しており、入所児童に対し、プライベートな空間を確保している。地域の子育て支援として、ショートスティ、親子サロンの開催、子育て相談等の支援も行っている。法人の取り組みとして、中間就労支援、生活困窮者の支援(かながわライフサポート)も行っている。
【5】第三者評価の受審状況 2015年04月13日(契約日)~ 2016年02月23日(評価結果確定日)
受審回数 - 前回の受審時期 -
【6】総評 ◇特に評価が高い点
1.子ども一人一人を大切にした家庭的支援
・子どもたちは1ユニットに同年代3~8名が、リビングやキッチンのある家庭的な環境の中で生活しています。子どもたち全員に、学習机やロッカーのある個室を設け、一人   一人の居場所を確保しています。食事は栄養士が作成した献立表を基に、各ユニットで担当職員が調理をし、夕食時はユニットの子どもが担当職員と一緒に食卓を囲み、会話を楽しんでいます。職員は日常での関わりの中で子ども 一人一人の意向の把握を基本としながら、児童相談所や病院への通所や通院時に個別の時間をとり、また、定期的な子ども面接や心理相談で子どもの声を聞き、出来る限り意向に沿うように、子どもと向き合っています。アセスメントや自立支援計画策定時には、職員が日常把握した子どもの意向をもとに多職種の職員で「プラン検討会」を行い、さらに、養育・支援に関わる担当職員は心理担当職員や家庭支援専門相談員、里親支援専門相談員、児童相談所職員からスーパービジョンを受けながら、子どもにとって適切な対応がとれるよう検証し、支援を行っています。

2.養育・支援の質の向上を目指す取り組み
・施設では、子どもたちが将来の夢を持ち、安心して楽しく有意義に生活するための活動(サウス・ピース・プロジェクト)を開始し、『子どもの暴言・暴力をなくすこと、自分自身を大切にすること』に取り組んでいます。具体的な活動は、定期的に子どもと職員が面接を行い、子どもからの意見を把握して評価・検証したり、暴言や暴力に関する問題の検討・対策について職員間で協議し、子どもの生活がより良いものとなるよう取り組んでいます。この活動には、子どもたちが通う幼稚園や小・中学校教員や児童相談所職員に集会や会議に参加してもらい、内容や情報を共有して子ども理解を深め、養育・支援の向上につなげています。
・子どもの養育・支援について、職員は毎月、定期的に「業務要領書の手順理解」、「態度・マナー」、「OJTチェックリスト」の自己評価を行い、評価結果からの課題について勉強会を開催し、養育・支援が適切に行われているかを組織全体で振り返り、個々の職員が日常で問題を抱え込まないようチームで対応し、施設全体で問題に取り組む体制をとり、支援にあたっています。

3.地域福祉の積極的な取り組み
・施設は相模原市の関係機関と連携して主任児童委員会、要保護児童対策地域協議会等に参加して地域の福祉ニーズを把握し、一時的な養育困難家庭に向けての子育て短期支援事業「ショートステイ」の実施や緊急一時保護を受け入れるほか、会議室の貸し出しや施設開放事業として親子サロン「みなみっこ」を毎月2回開催するなど、地域福祉に取り組んでいます。
また、子どもたちは、大凧祭りやいもほり、稲刈りなど地域の行事に参加するとともに、ボランティアとして芝桜下草刈りに職員と共に参加し、地域との関係構築に努めています。

◇改善が求められる点
1.子どもが相談したり意見を述べやすい環境の整備を
・入所時に子どもや保護者に説明する「生活の手引き」には苦情解決の方法として職員への相談ができることを明記していますが、さらに、子どもが相談したり意見を述べたりする際に、複数の方法や相手が選べることについて分かりやすく記載し、子どもや保護者に配付や掲示して周知することが望まれます。

2.被措置児童等虐待の届出・通告に対する対応の整備を
・被措置児童等虐待防止について対応マニュアルや届け出の仕組みはありますが、子ども自らが訴えることができるよう資料を用いた説明や掲示などは用意されていません。入所後も、児童相談所と連携を図り、被措置児童等虐待の届出・通告について子どもに説明し、子どもが意見表明できるよう「子どもの権利ノート」について再度説明し、はがき活用等を含め、周知することが求められます。

3.職員の意思統一のための継続した研修を
・子どもの権利擁護については、設置法人の管理規程に記載し、職員会議で事例を基に理解を深める努力をしていますが、経験年数の短い職員が多く在職する中、子どもへの処遇が同じ基準、価値観で行われていない現状があります。権利擁護に関する規程やマニュアルを見直し、継続して研修を実施することが望まれます。また、プライバシー保護や権利擁護について職員がどのように取り組んでいるか、保護者や子どもに周知することが望まれます。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  開設二年目に第三者評価を受審しました。「職員皆で第三者評価を受け、第三者から施設を見てもらい、忌憚のない意見を言ってもらおう」と、職員皆に説明し、取り組みました。入職二年目という若い職員が多い中、指摘事項も多いのかと思いましたが、取り組みで良い点は多いに評価して下さり、職員のモチベーションのアップにも繋がりました。
 また、ご指摘いただいた内容は、まだまだ整備が足りなかった点として、真摯に受け止め、次年度の事業計画に盛り込み、改善に努めて参りたいと思います。ありがとうございました.
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