社会的養護施設第三者評価結果 検索

愛泉乳児園

【1】第三者評価機関名 (株)地域計画連合
評価調査者研修修了番号 SK18197
2001510347
2001810391


【2】種別 乳児院 定員 40名
施設長氏名 住川 敏子 所在地 埼玉県
URL http://www.ainoizumi.com/
開設年月日 1949年06月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人愛の泉
職員数 常勤職員 44名 非常勤職員 12名
有資格職員 看護師・保育士・児童指導員 35名 家庭支援専門相談員 1名
心理士 1名 栄養士 3名
調理師等 5名
施設設備の概要 (ア)居室数 5室 (イ)設備等 セラピールーム・相談室・プレイルーム
(ウ) 事務室・面談室・親子訓練室(2室) (エ) 地域交流スペース・ショートステイ室・子ども家庭センター
【3】理念・基本方針 <法人理念>
一人ひとりの尊い命を愛して
<基本理念>
 私たちは子ども達の人権を守り、人を愛する事の尊さ、人としての幸せを求めていく事のすばらしさを伝えます。そのために3つの心を大切にします。
 ①挨拶ができる心 ②笑顔がつくれる心 ③情報を共有する心
<基本方針(施設の運営方針)>
 ①キリスト教の教えに基づく養育及び保育の実践
 ②創立者キュックリッヒの遺訓を旨とした創造性豊かな職場づくり
 ③社会福祉事業の拠点施設としての地域に根差した施設づくり
【4】施設の特徴的な取組 ・乳児院という施設である為、すべての保護者への説明は困難であるが、入所時に保護者からも養育の希望を確認、また当園の養育についても理解してもらえるよう努めている。
・面会を通して保護者との信頼関係を築き、相談を受けられる体制を整えている。
・保護者の養育の希望をもとに、当園と児童相談所で児童自立支援計画を作成している
・外部利用者に対する相談しやすい環境作りや専門スタッフ(看護師、心理士、家庭支援専門相談員、里親支援専門相談員、地域支援事業スタッフ)による体制を作っている。
・里親委託に関しては定期的に里親サロンに委託後の里親子を招待し、アフターケアを継続的に行い相談に応じられるよう努めている。
・保護者等が当園に対し意見や相談、苦情を表明しやすいように意見箱を設置している。
・『病後児保育室』2002年9月より自主事業として開始する。その後、2005年4月より加須市の委託事業となる。保護者からの要望時には延長保育の対応もしている。利用者の要望に応じ、お正月(年末年始5日程度)と日曜日以外は運営している。
・『ひよこ教室』(地域の母と子の集まり)1991年から開始する。月2回開催し、毎回手作りおやつを提供を行っている。活動内容の充実を図る為に年1回利用者アンケートをとっている。絵画教室やベビーマッサージ、マクドナルドのドナルド来園は好評で、2019年度はボランティアサークルによる絵本の読み聞かせや園庭開放を企画。
・『ショートステイ事業』(加須市、熊谷市、さいたま市、吉川市、深谷市、久喜市、幸手市、白岡市、鴻巣市と契約を結んでいる)
・『里親サロン(ぴよぴよクラブ)』2015年1月より年3回程度開催。当園から委託された里親子を招待している。夏祭りや運動会、講習会(テーマ:愛着形成を支える)、臨床美術、ラーメン作り、芋ほり等、子どもの成長に合わせ、当園ならではの催しを企画している。(次回はチョコレート作りを予定)
【5】第三者評価の受審状況 2019年10月28日(契約日)~ 2020年03月02日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成28年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
○地域の子育て家庭や居住者に向けて様々な支援につながる体制が整備されている
地域の子育て家庭を対象にした地域支援事業を展開しており、スタッフを決めて対応にあたっている。栄養士も参加しての栄養指導や相談など、児童家庭支援センターの職員が対応する育児相談や発達相談などもある。また、子育て家庭のレスパイトのなどにつながるシートステイ事業を9市と契約締結している。他に病後児保育の受け入れもあり、地域の子育てニーズに沿った取り組みが行われており、地域に根差した施設としての位置づけを高めている。さらに災害発生に備えた対策の検討・確保や相互援助協定も締結されている。子どもたちだけでなく、子育て家庭支援を中心として地域の居住者に向けても貢献できる体制が整備されている。
○子ども本位の養育スタイルが職員間で共有され、愛着の形成などに向けて実施されている
子ども本位の家庭的養育の実践にあたり、小グループで縦割りの環境を整備している。入所から退所まで継続した担当職員を配置し、できる限り個別での対応を行えるように保育を工夫している。遠足や一泊旅行は行事の楽しみの他、子ども一人ひとりの愛着形成が育まれる場として取り組んでいる。
○細やかな医療体制がとられ、健康面に十分配慮した養育・支援がなされている
健康管理に関しては、年2回の定期健診や年1回の歯科健診のほか、日常的に健康観察記録を行い、一人ひとりの健康状態を把握している。また、身体発育や精神・運動発達、情緒面などは、毎週木曜日の午前中に嘱託医が来所して、定期的・総合的な診察を行うとともに、予防注射も実施している。さらに、月2回木曜日の午後にも経験豊富な嘱託医が来所して、健康面や精神面などで難しさを抱えている子どもたちも診てもらう等、施設内での医療体制が整っている。さらに、職員の中には看護師が多くいることで、通院には看護師が付き添うことが可能となり、病院の医師の指示や処方箋等の情報が的確に共有でき、混乱なく対応できている。
◇改善を求められる点
○保育室内の絵本や玩具など環境設定のさらなる環境にも期待したい
小規模保育室では家庭的な雰囲気の中、居室が安心してくつろいだり、落ち着ける環境として配慮されている。遊びに関しては子どもたちに遊びたい好きな玩具を聞きながら取り出し提供している。日頃から子どもの気持ちに寄り添った保育を心がけており、子どもの手の届くところに絵本や玩具などを配置する工夫もみられる。今後は子どもの主体性・自主性とはを職員間でさらに意識を高め、月齢の低い乳児も自ら手に取り主体的に遊べるよう安全面に考慮しながら、さらなる保育環境の工夫にも期待したい。
○事業継続計画の検討・策定を進め、ヒヤリハットの事例を活かしてリスクマネジメントに反映されたい
防災マニュアルを整え災害の発生時に適切に対応ができるよう訓練を行い、子どもたちの安心と安全につながる配慮がなされている。近年の災害発生状況を鑑み、地域的な特性を踏まえ水害への対処も重要との認識で対応を検討したいとの考えもある。今後は事業継続に向け、施設の特性に合わせ対応計画を具体的に検討策定し、子どもたち及び職員が安心して安全に生活できる設備の維持・管理、就業への配慮などにつなげられたい。また、ヒヤリハット情報をできるだけ多く収集・把握する手法の検討や要因分析に活かせる整理の方法などを工夫して施設独自のリスクマネジメントに反映されたい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 事業への取り組み方として、評価Aを目指す姿勢を堅持することが最も重要であると考え、取り組んで参りました。それはAの評価を受けたからといって完結するものではありません。私たちにとっての評価Aは、思い切り背伸びした両手の先にこそ存在するものなのです。今般の第三者評価で、『養育・支援』や『権利擁護』等について良い評価をいただいたことは、職員一同の励みになると思います。また、常に評価Aに最も近い評価Bでいることの素晴らしさを教えていただいたことに改めて感謝申し上げます。
第三者評価結果はこちら