社会的養護施設第三者評価結果 検索

常楽園

【1】第三者評価機関名 (社福)徳島県社会福祉協議会
【2】種別 児童養護施設 定員 44名・4名(短期入所)
施設長氏名 岩根 光隆 所在地 徳島県
URL http://www.nmt.ne.jp/~toksbw/wai/kokufu/jourakuen.htm
【3】実施調査日 2013年05月15日~2014年04月16日
【4】総評 【特に評価が高い点】
 長年にわたる児童養護施設としての伝統に基づく、社会的養護への責任感と養育精神が根付いている。“菩薩道”の教えに基づき、健やかな心身の成長・育成や、自立と社会適応に向けて取り組んでいる。管理者が中心となって、これらの養育方針を掲げ、全職員の共通理解を図りつつ日ごろの支援へと繋げていることは高く評価できる。

 全職員で自己評価を実施して現状の分析を行い、抽出した課題に基づく改善活動に取り組んでいる。課題解決に向けたQC活動の一環として必要な担当者を配置するなど、組織的に支援の質の向上に取り組んでいることは高く評価できる。

 管理者が中心となって、職員とともに関係機関や各種団体等との連携強化を図っている。民生委員・児童委員や保護司等の役割も担うなどして、児童を守るためのネットワークづくりに積極的に取り組みつつ、児童養護施設の管理者としての役割を広く発揮していることは評価できる。

 毎年、子どもと職員で“感謝祭”を計画し開催している。企画や運営、当日の準備等を子どもたちが担い、地域の人々との交流を行ったり、日ごろの感謝の気持ちを伝えたりするための機会としている。これらの行事を通じて、子ども一人ひとりの社会体験の確保や、人との繋がりの大切さを実感する機会を継続的に支援していることは評価できる。

 困難な課題を抱える子どもと向きあい、一人ひとりの状況に応じた養育・支援のあり方を検討し支援している。子どもの措置背景が複雑化するなか、多様な工夫を行いつつ意欲的に支援している。児童の健全な成長を促すため、社会になくてはならない社会的養護施設としての責任感と役割を自覚し、個別対応・実践へと繋げていることは評価できる。

【改善が求められる点】
 組織の理念や基本方針、把握した地域の福祉ニーズに基づき、中・長期的なビジョンと事業展開を示した中・長期計画の策定について検討されたい。また、一定の水準以上の養育・支援の質を目指し、施設として実施しなければならない事項等の標準的な実施方法を内容ごとに文書化されたい。

 施設を取り巻く社会的背景や子ども一人ひとりの置かれている状況の整理を行ったうえで、現在の児童養護施設に求められている家庭支援機能のあり方と地域・関係機関との連携等について検討を行い、さらなる取り組みに着手されたい。これらの取り組みは、子どもや家族一人ひとりの自立に向けた個別支援の観点に立って行われるよう期待する。

 困難な課題を抱える子どもたちが、具体的な目標をもって自立へと歩み続けるためには、専門性の高い職員がチームで継続的に養育・支援を行うことが不可欠といえる。今後は、さらに質の高い養育・支援を実現するためにも、職員一人ひとりの知識や技能水準を分析し、組織の目指す専門性と倫理観を獲得するための人材育成の観点に立った個別の研修計画の策定に取り組まれたい。

 長年にわたる児童養護施設としての実践と経験則に基づいて養育・支援を行っているが、今後の組織としての支援の質を発展的・段階的に成長させるためにも、各種対応マニュアルや手順書を具体的に整備することが求められる。また、職員の専門的能力の獲得に伴う支援の質の向上や、社会情勢と施設の役割変化、新任職員の確かな育成等を見据えて、各種マニュアルの見直しと実践への反映に努められたい。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 今後も全職員のさらなる連携強化、共通理解を図りつつ、菩薩道の教えに基づき、児童の健やかな心身の成長・育成、自立支援を信念を持ち取り組んでいきたい。また、今回の第三者評価の結果を踏まえて、全職員で困難な課題を抱える児童たちへ手厚い支援を行うと共に、今後、組織としての支援の質を発展的・段階的に成長させていくために、各種対応マニュアルや手順書を具体的に整備し、職員の支援の質の向上に向けて取り組んでいきたい。
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