社会的養護施設第三者評価結果 検索

高風子供園

【1】第三者評価機関名 (公社)神奈川県介護福祉士会
評価調査者研修修了番号 SK2021096
S2021052
神機構-722


【2】種別 児童養護施設 定員 33名 地域小規模児童養護施設3×6名
施設長氏名 髙橋 理恵 所在地 神奈川県
URL
開設年月日 1946年03月07日 経営法人・設置主体 社会福祉法人白峰会
職員数 常勤職員 33名 非常勤職員 5名
有資格職員 保育士 18名 家庭支援専門相談員 2名
児童指導員 7名 栄養士 2名
調理員等 5名 心理士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 居室6、地域小規模児童養護施設3 (イ)設備等 心理療法室、静養室、医務室、調理室、相談室、交流室
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 高風子供園は、キリスト教の精神に基づき、子ども一人ひとりを大切にし、保護者、地域から信頼される児童養護施設を目指しております。
 子どもはわたくしたちのたからです
 たえずおとなに よろこびと のぞみと ひかりをあたえてくれます
 わたくしたちは まごころをもってひび よくそだてましょう        平野 恒
【4】施設の特徴的な取組 ○子どもたちが社会に出た時に良好な人間関係を築くことができるよう、「セカンドステップ」に取り組んでいる。「セカンドステップ」は、1段階~相互の理解、2段階~問題の解決、3段階~怒りの扱いで、相手の気持ちを理解し、問題を解決し、感情をコントールする教育プログラムである。今年度は専門の講師の協力のもと、子どもたちや職員がワークショップ(体験型のグループ学習)に取り組んでいる。
〇子どもの成長には「食」が大切と捉え、子どもたちが好きなものをバランスよく食べられるよう献立を工夫している。栄養士や調理員も子どもたちとの接点を多く持ち、子どもたちのリクエストメニューを聴き取って献立に反映している。また、季節に合った行事食を提供し、特に子どもの誕生日には、希望するキャラクターで飾り付けた大きなバースディケーキを手作りしている。子どもたちはとても喜び、自分以外の子どもの誕生日でも、どんなケーキが出てくるか楽しみにしている。
【5】第三者評価の受審状況 2022年09月06日(契約日)~ 2023年02月16日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成30年度
【6】総評 〇昭和21年開園の歴史のある園で、多くの企業や支援者に支えられ、創設者平野恒のことば「おさなごにまなぶ」という姿勢を基本理念として、子どもの最善の利益を目指し、子どもたちの支援にあたっている。
○現在、建物の老朽化に伴い、園舎の全面建て替えを行っている。子どもたちは、令和4年4月より、区外の仮設の園舎で生活を送っている。学校は転校せず、以前からの学校に通っているため、朝夕の通学は、職員が車を出して支援している。仮設の園舎での生活は不都合な部分もあるが、工夫しながら子どもたちが楽しく生活を送ることができるよう取り組んでいる。子どもたちは、令和5年7月(完成予定)に新しい園舎が出来上がるのを、とても楽しみにしている。
〇子どもの権利擁護は、+B6:E58毎月の職員会議で、養育について、その方法について、具体的な事例を通し、権利侵害がないかどうかを話し合っている。特に職員の言葉遣いについては、お互いに気になった時はその場で伝えるようにしている。
○子どもたちがそれぞれどのような体験をして、心の中ではどう感じているかを確認しながら、職員は一人ひとりを理解し、寄り添って対応している。時には、職員に暴力を振るったり、友だちに暴言を吐いたりする子どももいる。言葉で言えない子どもが行動に出てしまうことがあるため、職員は今子どもが何を思っているかを受け止め、時間をおいて対応したり、職員を変えて対応したりしている。毎日の話し合いの中で、その子どもの心の中で何が起こっているのか、対応はどうだったかを振り返っている。
○子どもが自分でやろうとしている時には見守る姿勢を持ち、子どもたちと一緒に考えて、生活のルールを決めている。言われてやるのではなく、自分で考えてやってみることを基本に支援を行っている。
○食事作りや掃除、洗濯、整理整頓、金銭管理、健康管理などの生活習慣技術については、園内の各ユニットでの生活で習得できるようにしている。園は長い歴史の中で、大手企業や地域企業、多くの支援団体や個人の支援者がおり、社会に出る機会を作ってもらっている。プロ野球やサッカー観戦、銀行の内部見学体験、一流ホテルでの洋食のフルコース体験、バスでのハイキングなどを通して、社会規範を守ったり、食事マナーを学んだりする機会が多くある。子どもたちが卒園しても、この貴重な体験をこれからの生活の中で活かしてほしいと、感謝の気持ちとともに感じている。園行事のクリスマス会には、多くの支援者や卒園生を招いている。
○中学生から高校生になると、進路を真剣に考えるようになる。卒園生の話を聞いたりする中で刺激を受け、大学受験を決めて担当に相談している。大学進学を希望する場合は、自立支援の担当職員が奨学金や助成金の情報などを提供し、資金計画書を子どもと一緒に作成している。シュミレーションをしながら、一人暮らしの体験を園内の自立体験室で行い、大学受験に向けて準備している。また、卒園後のアフターケアの体制も整えている。
○家庭支援専門相談員2人体制で保護者に対応している。子どもの生活の様子や学校での様子など、保護者と連絡を取り、また相談支援を行っている。親の引き取りたいという気持ちと、子どもの帰りたいという気持ちが一致する時は、児童相談所と家庭支援専門相談員を中心に、園全体で親子関係の再構築に取り組んでいる。園内の面会が安定してきた段階で、外出体験を行っている。家への外出体験の前には、児童相談所のケースワーカーと家庭支援専門相談員が家庭を訪問し、家庭の状況を確認している。受け入れの態勢が整っていれば、家への外出、園内での親子の宿泊体験、家での宿泊体験につなげている。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント この度、三回目の第三者評価を受審致しました。
本体施設を建て替えており、仮設での受審となりました。
コロナにより生活様式が変わった上、慣れない土地、手狭で不便な生活の中、その対応や建築の打ち合わせなどに追われ、運営も養育も果たしてしっかりできているのか不安でした。
自ずと自己評価は下がり、bやcの目立つ自己評価結果を前に、訪問調査を受けました。そんな私たちの話を丁寧に聞いてくださり「できていますよ。」と言っていただき、救われる思いでした。
次年度には、新しい建物に移り、新しい生活が始まります。また、暫くは手探りでの運営、養育になると思いますが、応援してくださる皆さまへの感謝と、子どもたちの気持ちを大切に頑張りたいと思います。今後ともご指導のほど、よろしくお願い致します。ありがとうございました。
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