【1】第三者評価機関名 | (社福)大阪府社会福祉協議会 |
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評価調査者研修修了番号 | SK15113 SK15180 |
【2】種別 | 乳児院 | 定員 | 20名 | |
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施設長氏名 | 宮本 由紀 | 所在地 | 兵庫県 | |
URL | http://boystown.jp | |||
開設年月日 | 1967年09月01日 | 経営法人・設置主体 | 神戸少年の町 | |
職員数 | 常勤職員 | 27名 | 非常勤職員 | 5名 |
専門職員 | 保育士 | 19名 | 社会福祉士 | 3名 |
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栄養士 | 2名 | 調理師 | 2名 | |
社会福祉主事 | 2名 | 臨床心理士 | 1名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | (イ)設備等 | ||
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(ウ) | (エ) | |||
【3】理念・基本方針 | 乳児院倫理綱領の元、キリスト教精神に則り、一人ひとりの乳幼児を大切に愛情を持って育てる。 愛着関係を大切にし、個々の成長発達を保障し、安心安全な生活の中で、子ども一人ひとりの権利を守る。 「ありがとう、みんななかよく、社会の為になるように」を念頭に置き、自立した社会人へと育てていく。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | (1)自然に囲まれた環境に立地しているため、坂道を歩くことや、山登り、虫採り、様々な木々、花に触れるなど、自然を生かした遊び、生活を送ることが出来る。脚力も自然と鍛えられ、健康的である。 (2)部屋編成としては、縦割りの養育保育であるが、同年齢児同士が関わり、遊ぶ場として「あじさい園」がある。音楽を用いたリズム遊び、様々な材料を用いた製作遊び、カードや盤等を用いた知育遊びにジャンルを分けて、行っている。 (3)家庭生活体験事業:ケースに応じて、職員の自宅へと外出外泊を通して家庭生活を体験している。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2016年06月16日(契約日)~ 2016年12月13日(評価結果確定日) | |||
受審回数 | 1回 | 前回の受審時期 | 平成25年度 | |
【6】総評 | 【施設の概要】 神戸少年の町乳児院(以下「当施設」という。)は、塩屋駅から徒歩20分ほどの小高い山手に位置し、自然環境に恵まれた施設です。定員20名の小規模施設で、子どもたちは4つのグループに分かれて生活しています。構成バランスの良い訓練された職員集団の中で完全担当制が展開され、安心安全な生活の中で愛着関係が着実に形成されています。 看護師、保育士、心理士、栄養士等の専門職員の協働による養育や家庭支援専門相談員による家庭支援、里親支援専門相談員による里親支援、あわせてリフレッシュステイの実施や地域子育て支援としての活動等の地域支援など総合的な取り組みを積極的に展開しています。 【特に評価の高い点】 (1)チームワークのとれた職員集団 「働きやすい職場作り」を目指しており、結婚、妊娠を理由に退職する職員がほとんどいない状況の中で、退職した職員が再び職場復帰をするなど勤務経験の豊かな職員が多く、安定感のある雰囲気が全体に漂っています。また、職員の年齢構成もバランスがよく、お互いに和気あいあいとした関係の中で忌憚のない業務上の意見を交換しています。子どもたちは、チームワークのとれた職員と共に安心で安定した生活をのびのびと過ごしています。 (2)人材育成への取り組み 子どもへの養育・支援の質の向上に向けて、職員の人材育成に力点が置かれています。理念・基本方針に施設の期待する職員像が具体的に示され、職員としての基本的な姿を求めています。また、養育・支援の内容について組織として評価を行う体制が整備され確実に実施されています。さらに新任職員に対するOJTの取り組みや階層別、職種別、テーマ別の効果的な研修に取り組んでいます。まだ、十分に定着していませんが、人事考課に向けた取り組みが大いに期待されます。 (3)家庭的ケア充実への工夫 定員20名の小規模の乳児院で家庭的な雰囲気がありますが、小規模グループケア、入所から退所までの一貫した担当制を導入し、個別関係を重視したきめ細かい家庭的なケアを目指しています。 また、小規模グループでの「お泊り保育」の実施や職員の家庭に宿泊体験をする「家庭生活体験事業」の実施、子どもと食材の買物から調理まで一緒に行う「ワクワククッキング」、居室でホットプレートを使って保育士が調理をする機会、誕生日当日の手作りケーキでのお祝い会、入浴は職員が裸で一緒に入る、個室トイレの設置など、家庭生活に少しでも近づけようとする様々な工夫が見られ、熱意が伺える取り組みは高く評価されます。 (4)リスクマネジメントの体制 今年度から児童養護施設と合同で「防災委員会」を設置し、法人全体でリスクマネジメント体制の強化を図っています。「防火防災マニュアル」「防犯マニュアル」「不審者マニュアル」と幅広い視点でのマニュアルが整備され、リスクの内容に応じて、事故報告書、個別外傷報告書、ヒヤリハット報告書に分けて記載し、多くの事例を収集するルールが徹底しています。リスクの段階に応じて要因分析と対応策の話し合いが丁寧に行われ、危険な個所については「施設内危険マップ」を作成して事故予防を進めており、安全安心な施設づくりへの手厚い取り組みが行われています。 【改善が求められる点】 (1)中・長期計画の策定 理念や基本方針を具体化する事業や養育・支援を効果的に実施するために施設の中・長期計画の策定が求められます。具体的には、養育・支援の更なる充実、課題の解決等のほか、地域ニーズに基づいた新たな福祉サービス等の目標を明確に定め、その目標の実現に向けて組織体制や設備等の整備、職員体制、人材育成、そのための収支計画等を具体的に計画し、実施していくことが求められます。 (2)施設運営の透明化に向けた取り組み 施設の事業や財務等に関する情報を公開することは、公費による養育・支援を実施する主体としての説明責任を果たし、経営の透明化を図る取り組みでもあるので、保護者や広く社会に向けて公開することが求められます。具体的には施設の理念や基本方針、養育・支援の内容や事業計画・事業報告・予算・決算等の財務情報、さらに第三者評価の受審状況や苦情・相談等に関することなどについて公表することが求められます。 (3)施設内虐待防止の取り組み 虐待防止のため「不適切対応(施設内虐待)防止マニュアル」が整備され、子ども間のトラブル等不適切なかかわりを含めた幅広い具体例の記載やヒヤリハットの報告への対応等、早期発見と防止対策は充実しています。 しかし、管理規程の禁止事項には虐待防止について記載がありますが、就業規則の処分規定にも虐待についての具体的記載が望まれます。また発生時の対応の体制や流れは口頭では確認できましたがマニュアルへの記載がされていませんので、検討が望まれます。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 今回の評価内容については、調査日に直接いただいた具体的な助言と共に、職員間で共有し方向性を明確にしたうえで、これからの実践に生かせるよう取り組んでいきたいと思います。 改善が必要とされた評価項目の中には、調査者の方々にその場で直接頂くことができた具体的なアドバイスをヒントに、既に取り組みを始めて前に進めているものもありますが、まずは、第三者評価担当者を中心に改善についての課題を整理し、職員間で認識の統一を図りたいと考えています。 そして次の3年後の第三者評価までを目標に、優先順位や取り組みにかかる期間から、いつまでに何をどこまで改善するのかを具体的かつ明確にしたうえで年度目標や事業計画に落とし込み、計画的な改善が行われ定着していくよう努力していく所存です。 これからも職員間のチームワークを大切に、こどもたち一人ひとりの成長や発達を保障するために、常によりベターな状況を目指して頑張っていきたいと思います。 |