社会的養護施設第三者評価結果 検索

県立白浜なぎさホーム

【1】第三者評価機関名 (社福)和歌山県社会福祉協議会
評価調査者研修修了番号 SK15213
S24247



【2】種別 母子生活支援施設 定員 20名
施設長氏名 所長 吉田 暢子 所在地 和歌山県
URL
開設年月日 1970年09月01日 経営法人・設置主体 紀南地方児童福祉施設組合
職員数 常勤職員 6名 非常勤職員 1名
専門職員 保育士 3名
施設設備の概要 (ア)居室数 22室(ショートステイ含む) (イ)設備等 避難タワー
(ウ) 施設内プレイルーム(地域集会所) (エ) 施設内オール電化、セキュリティシステム完備
【3】理念・基本方針 (1)理念
 母と子の生きる力を支えます

(2)基本方針
①目的や目標を明確にした合理的で計画的な支援を行う
②母子の課題を理解し親子・家庭のあり方を重視した支援を行う
③母子が自己の意思で課題を解決できるよう個々の気持ちに寄り添った支援
④必要な手続きをわかりやすく説明し必要に応じて関係機関へ同行する
【4】施設の特徴的な取組 1.理念「母と子の生きる力を支えます」に基づき、職員は母親と子どもの日常生活に寄り添い、細やかな支援を行っている。日々の就労や子育てで疲れている母親を力づけるために、毎月「カレーの会」を開催し職員が利用者にふるまったり、ホテルのバイキングへの招待や施設内でクリスマス会を行うなど、日々の生活の中で普通の楽しみや喜びを感じてもらえるような取組みを行っている。

2.緊急一時保護の利用について、24時間の受け入れ態勢を整え、県を超えての広域利用に対応し、施設長は携帯電話を常時携帯することでいついかなる時もすぐに対応できる連絡体制を整えている。また、どのような状況であってもすぐに生活が始められるように居室はもとより生活必需品に至るまですぐに貸与等の対応ができる備えと細やかな準備を整えている。
【5】第三者評価の受審状況 2017年04月19日(契約日)~ 2017年11月21日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成26年度
【6】総評 ◇特に評価が高い点
1.「利用者の安心安全に配慮した取組み」
 5年前に新築移転した、閑静な住宅地に隣接したホームである。入口は二重扉で、内側の扉はオートロックとなっており、防犯カメラ6台及び侵入防止センサーを取り付け、夜間は宿直職員を待機させ、警備保障会社と契約を交わし不審者への対応にも万全を期すなど、入所者の安全や安心感を確保できる体制を整えている。
2.「母親と子どもの日常生活への配慮」
 利用者向けのマニュアル「なぎさホーム要覧」を作成し、入所時に福祉事務所担当職員等とともに職員が丁寧な説明を行っている。入所後も、職員は母親と子どもに積極的に声掛けをし困りごとの相談に応じ、行政手続きや就労時の同行、子どもの保育や一時預かりの実施などを通して信頼関係の構築に努め、和やかな雰囲気の中で生活の再構築へ取組むことができるよう配慮している。
3.「アフターケアへの支援」
 母親と子どもが自立しスムーズに地域生活へ移行できるよう、関係機関と連携を取りながら生活の再構築に向け就労支援や制度を活用し、退所後も利用者が気軽に困りごとの相談に施設に立ち寄ったり電話連絡や家庭訪問を行うなど新しい生活に配慮した支援を行っている。
4.「地域支援」
 入所者だけでなく地域住民も利用できるように津波避難タワーを設置ている。また、施設の1階にある学習室を開放し、入所児童と友人や近隣の子どもたちとの交流の場として提供することで、施設の持てる機能を地域に還元している。さらに将来的には学習室を地域の集会場として提供することも提案している。
5.「管理者のリーダーシップ」
 施設長は強い責任感のもと自らの経験を生かし、就労支援、養育・保育支援から親子関係の調整や人間関係の再構築に至るまで、母親と子どもに真摯に向き合い率先して取組み、リーダーシップを発揮し職員の模範となっている。

◇改善が求められる点
1.「支援の質の向上に向けた組織的計画的な取組み」
 実際の支援の場面においては利用者に寄り添う姿勢を持ち取組んでいると伺えるが、取組の評価や見直しを通じた自立支援計画への反映が確認できない事項が散見されることが惜しまれる。日々の支援においてもPDCAサイクルを活用し職員会議等で組織的に検討することで課題の明確化と共有化を図り、さらなる支援の質の向上を図る取組みを期待する。また厚生労働省編纂のマニュアルを使用しているが、地域性も考慮したうえで施設の特徴を生かした支援を展開することにおいて、施設独自の支援指針等マニュアルを策定し、全員で取組まれることを期待する。
2.「職員の資質向上と人事管理の体制整備」
 職員体制と業務分掌を整理し、明文化されたい。
 職員の資質向上の取組みは、職員の専門性を考慮し必要性に応じたOFFJT研修の受講となっているが、OJTは資料の閲覧や回覧により情報伝達は行われているものの、習得状況の把握や評価につながりづらい現状に伺えた。施設が求める実情に応じた職員の専門性や資格取得について明示し職員の意向やスキル等を把握することで、施設内研修における検討や議論を行う勉強会や研修の時間を確保いただくとともに、知識や技術の平準化・統一化とスキルアップにより支援の質を高め、さらなるサービスの質の向上を期待する。
3.「プライバシーの保護」
 「母子支援施設なぎさホーム使用に関する事項」及び「なぎさホーム入所者心得」において居室への入室について「必要があるとき」「運営上必要な場合」と施設としての生活上のルールを明記し「内規」を定め、毎月、居室訪問し施設内備品の管理及び衛生管理を実施している。利用者の同意のもとに実施しその場で個別相談にも応じているが、プライバシーの保護や権利擁護にの観点から機械的な点検・相談機会とするのではなく、趣旨を明確にした場面ごとの対応を実施することで職員の理解と意識化を図られることを期待する。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 第三者評価を受審させていただくことで、マニュアル等の見直しや各職員の自己の業務と向かう姿勢を振り返る機会となりました。
評価結果については、高く評価して頂いた点は、職員の大きな励みとなりました。また同時にご指摘して頂いた内容については、真摯に受け止め改善に努め「より良い支援」が提供出来るよう、職員一同、研鑽、工夫を重ね尽力していきたいと思います。
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