【1】第三者評価機関名 | (特非)アスク |
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評価調査者研修修了番号 | SK2021051 T10001 T21001 |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 50名(暫定49名) | |
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施設長氏名 | 長 幸恵 | 所在地 | 栃木県 | |
URL | http://www.ashikagashakyo.or.jp/shisetsu/shisuigakuen | |||
開設年月日 | 1957年04月30日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 足利市社会福祉協議会 | |
職員数 | 常勤職員 | 28名 | 非常勤職員 | 6名 |
有資格職員 | 社会福祉士 | 4名 | 保育士 | 10名 |
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臨床心理士 | 1名 | 精神保健福祉士 | 1名 | |
看護師 | 1名 | 管理栄養士 | 1名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 26 | (イ)設備等 | |
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(ウ) | (エ) | |||
【3】理念・基本方針 | 【理念】 1 子ども達の最善の利益を基本として養護を行います。 2 感謝の気持ちと思いやりの心を育みます。 3 子ども達の気持ちに寄り添い、共に歩み、共に成長します。 4 地域社会との交流を促進します。 【基本方針】 Ⅰ 養育方針 児童は豊かに伸びる可能性を秘めています。一人ひとりの児童の最善の利益を優先に考え、児童達がより良く生き、望ましい未来を創出できる力の基礎を、学園生活のあらゆる機会を通して涵養します。 保育士や児童指導員が児童と接触を深めながら、規則正しい生活によって児童の心身の健全な発達を促進し、人間性豊かな健康で明るい、自立した社会人となるように集団的・個別的指導に努めます。 また、安全で安心して暮らせる施設づくりを常に心がけます。 Ⅱ 養育の方法 職員の言動が児童に及ぼす影響は計り知れないことを自覚し、深い愛情と知性と技術を持って児童の養育にあたります。 次の視点から当施設の養育は、次の事項に留意します。 1 関係機関や家族と連携を図り、児童の最善の利益を優先に考えて支援します。 2 児童各々の年齢や能力・性格・特徴・興味など発達状況等における発達特質を理解して、環境の創出や指導の工夫を凝らし、発達段階に応じた養育・支援にあたります。 3 子ども達の権利を守ると共に、権利と義務・責任についての説明を行います。 4 生活リズムをバランス良く保てるように設定し、バランスのとれた生活を送れるように支援すると共に、自己活動が十分展開できるように支援します。 5 児童との個別的な関わりを重視して、感謝や思いやりの心を育みます。特に幼児に対しては、1対1の個別対応を行ない、職員との愛着関係を構築します。 6 虐待等の家庭環境上の理由により入所している児童の保護者に対しては、保護者が引取りを希望したり、子ども自身が親との生活を望んでも、児童相談所との密接な連携のもとに、時間をかけて親子関係の再構築をすすめます。 7 児童の持つ積極性を大切にして、常に児童の活動を引き出すような環境を設定して適切な働きかけを行います。また、生活全般の活動を通じて自主性や協調性等を伸長できるように支援します。 8 行事の指導にあたっては、楽しい雰囲気のなかで児童に快い感動を与え、生活経験を豊かなものにするよう配慮します。 9 施設や学校等の生活面で、特に問題のある児童の処遇は、必要に応じ関係機関を交えケースカンファレンスを行ない、適切な指導が行えるようにします。 10 小規模グループケアにより、虐待を受けた子ども等が他者との関係性の回復や、家庭的な環境の中で職員との個別的な関係を重視し、愛着関係を築く等、きめ細やかなケアを提供します。 11 児童一人ひとりに自立支援計画を作成し、援助方針を立てていきます。理解できる児童に対しては、支援計画を共に相談し自らも成長できるように支援します。 12 虐待等による心的外傷等に為に心理療法を必要とする児童のために、遊戯療法・カウンセリング等の心理療法を実施し、心理的な困難を改善し、安心感・安全感の再形成及び人間関係の修正等を図ることにより児童の自立を支援します。 13 地域社会及び各学校は、泗水学園運営の基盤であり、最も有力な理解者であることを認識し、常に交流を深めながら、児童養護・支援のネットワークを形成し施設がその拠点となるように努めます。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | 1 運営理念に地域や学校との交流の重要性を謳い、地元自治会に加入し自治会や育成会行事に積極的に参加している。また、地域のお祭りや町内の廃品回収、朝夕の小中学生登校時の旗当番も積極的に行っている。施設の納涼祭やもちつき大会には、毎年地域住民が参加し一部の方に模擬店の担当やもちつきの捏ね取り、大福づくりなどのお手伝いをお願いしている。日頃より小学生から高校生まで地域の友人宅へ遊びに出かけたり、友人が施設に遊びに来たりという交流も盛んである。 2 令和2年度の第三者評価受審後に、「標準的な実施方法」を作成し全職員が一定以上の水準で支援に取り組めるようにした。また、令和4年度に「マニュアル改定運営委員会設置要綱」を作成し、子どもや施設の状況等に応じて「標準的な実施方法」の改定を行っている。 3 子どもの自治組織「やまなみ会」を組織し、生活上のルール等について子どもからの要望等を職員会議等で検討している。中高校生から携帯電話を所持する時期や帰園時間について改善を求める要望があった際には、職員間で協議を行い実現できるように柔軟に対応するなど、子ども本位の支援を目指している。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2023年06月13日(契約日)~ 2023年11月10日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 令和2年度 | |||
【6】総評 | ◇特に評価の高い点 1 評価結果に基づいた取り組むべき課題の明確化及び計画的な改善策の実施 前回(令和2年度)に受審した第三者評価の結果に基づき、直ちに「第三者評価指摘事 項改善計画」(令和3年度~5年度)を作成し、職員会議・直接処遇者会議で職員に周知 している。課題改善に対する緊急度を3段階に分類し、担当職員や改善期限を定めて改善 の検討を行い、改善案を法人本部で確認してもらった上で職員に周知し、その後具体的な 取り組みを実施している。また、改善の取り組みを組織的・計画的に進めるため、取り組 みの進捗状況を職員会議等で確認し、必要に応じて見直し等を行っている。 2 標準的な実施方法を活用し、基本となる支援を全職員が一定以上の水準で行う取り組み 前回の第三者評価結果を受け、「標準的な実施方法」が作成された。全職員に配付され ている標準的な実施方法には、日常生活、職員の連携、宿直者の仕事、生活支援、環境整備、学習指導等施設での養育・支援について、項目ごとに基本的な養育・支援事項が書かれている。新人職員には標準的な実施方法を活用した指導とOJTを行い、中堅以上の職員は、自身の養育・支援の振り返りのツールとして活用している。また、マニュアル改定運営委員会が「マニュアル改定運営委員会設置要綱」に基づいて、子どもや施設の状況等に応じて標準的な実施方法の改定を行っている。 3 子ども本位の支援を目指した満足向上に対する取り組み 施設内に組織された子どもの自治組織「やまなみ会」において、生活上のルール等について子どもからの要望等をまとめ、施設に提出し職員会議等で検討している。中高生から、携帯電話を所有する時期や帰園時間について等改善を求める要望があった際には、職員間で協議を行い、実現できるよう柔軟に対応してきた。また、子どもアンケート、意見箱設置なども行い、集まった意見に対して各種会議で検討して回答することにより、組織的に子どもの満足向上に努め、子ども本位の養育・支援を目指している。 ◇改善を求められる点 1 経営課題を明確にした具体的な取り組みの促進 施設では現在の経営課題の主なものとして、「地域分散化・小規模化、定員の見直し、 職員確保」を挙げている。特に「地域分散化・小規模化」は喫緊の課題としており、足利 市こども家庭政策課(以下、「市担当課」とする)や法人本部とも定例情報交換会(毎月)の中で協議を重ねて早期の実現に向けて取り組んでいるが、なかなか具体的な計画を作成するまでは至っていないのが現状である。「地域分散化・小規模化」による家庭的養護の推進は厚生労働省の方針として示されていることから、職員間で検討を重ねるとともに、市や法人本部と更なる連携を図り、早期実現に向けてより積極的に取り組むことが求められる。 2 子どもの行動上の問題への対応 施設では、施設内の養育・支援の実践場面で、職員相互の信頼関係が十分保たれていない点があり、日々の養育・支援のバラつきにも繋がっていると考えている。今後、施設全体として、暴力やいじめ、差別などが生じないよう、他人に対する配慮の気持ちや接し方、人権に対する意識を高めるような取り組みを行い、養育・支援に反映することが期待される。また、子どもの暴力・不適応行動に関して、マニュアルでの共通認識を図っているが、実践を踏まえた職員研修は行っていない。子どもの行動上の問題に対しては、心理的背景を考え寄り添いながら見守る支援が必要なのか、時に早期介入が必要なのか等を見極め、職員が一丸となって適切に対応する体制づくりやマニュアルを周知徹底する取り組みが求められる。 3 食事場面での環境づくり 子どものヒアリングや職員アンケートからは、食事に対する要望を含め、様々な意見が上がっていることから、年齢等に合った調理方法や味付けに配慮することや、現在年1回の嗜好調査の回数を増やすこと、嗜好を可能な限りメニューに反映していく等の取り組みを検討することが望まれる。また、食事の時間が、職員と子ども、子ども同士のコミュニケーションの場として、和やかな雰囲気となっていない様子が窺える。子どもが安心・安全な環境の下、食事の時間をより楽しみにし、おいしく楽しく食べることができるよう、より良い雰囲気や環境づくりに取り組むことが求められる。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 前回(令和2年度)の第三者評価結果から多くの改善・見直し・整備等が必要な点が明らかになりました。その内容を全職員に周知し、担当・期限を決めて3年間で改善に向けて取り組みました。今回の第三者評価結果では、C評価の項目はなくなりましたが作成すべきマニュアルや取り組むべき内容が多々あります。前回と同様に、担当・期限を決めて改善等に取り組みたいと思います。 中・長期計画については、具体的に進められるように市担当課や法人本部と協議しながら進めて行きたいと思います。 |