社会的養護施設第三者評価結果 検索

小百合園

【1】第三者評価機関名 (社福)宮城県社会福祉協議会
【2】種別 児童養護施設 定員 50名
施設長氏名 竹内 久子 所在地 宮城県
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【3】実施調査日 2014年07月14日~2014年12月17日
【4】総評 ◇特に評価が高い点
<家庭的な雰囲気を大切にし、子どもが安心できるよう支援しています>
 施設では、5~7名での異年齢のクラス分けによる小規模グループケアを行っています。また、施設敷地内に一軒家の分園型小規模グループケア「やまびこ」を設置しています。施設として家庭的で子どもが安心できる生活に努めています。
・食生活について
 施設では、食事が団らんの場になるよう心掛け、クラスごとにテーブルクロスが違っていたり、それぞれ個別の茶碗や箸、陶器の食器を使用するなど、家庭的な雰囲気に配慮しています。子どもがおいしく食べられるよう保温棚や冷蔵庫を活用し、帰宅時間の遅い子どもにも個々に対応しています。また、子どもと厨房職員が食事に関して自由に意見交換をして食育に繋げたり、当番制で調理の手伝いや職員と一緒にお菓子作りをすることで調理のスキルを学んでいます。
・住生活について
 施設内の共有部分には花や絵が飾られており、それぞれのクラスには子どもの作品が装飾されています。施設の構造上の限られた空間をより家庭的で子どもが安心できるように工夫され、温かさが感じられます。
 広い敷地内には多数の樹木や草花が植えられており、季節の変化を感じることができます。

<子どもの意見を聞く仕組みがあります>
 施設では、子どもの意向を把握するために、日常生活の中での会話や各クラスのミーティング等から子ども達の意見を聞くようにしています。子どもから意見があった時は、アンケートの実施や子ども達との話し合いをクラスごとや年齢ごと、そして全体で行い、生活の改善に繋げています。また、「思い箱」を廊下に設置し、施設長が直接、子どもに応えるシステムにより、職員に言いにくいことや相談等に活用されています。
 施設全体で普段から子どもの声を聴くことを大切にしており、事務職員や厨房職員含め、誰にでも相談できるようにしています。

<アセスメントに基づいた自立支援計画の作成と支援の継続性に配慮しています> 
 施設では、児童相談所からの情報、毎日の生活行動記録、心理所見から子どもの状況を把握し、それに基づいて担当職員が自立支援計画を作成しています。職員会議でスーパーバイザーからの助言をもらいながら検討し、定期的に振り返りを行っています。
 子どもの措置変更にあたっては、「本人紹介」「遊びの活動」「コミュニケーション」「生活習慣」「気になる行動」を詳細に記載した引き継ぎ文書に心理所見を添付して引き継ぎ、支援の継続性に配慮しています。

◇改善が求められる点
<プライバシー保護に関する規程やマニュアル等を整備されることを期待します>
 子どものプライバシー保護については、施設長から新規採用職員への口頭指導や職員による子どもへの気遣い等で対応していますが、文書化されていません。支援の基本としての姿勢や職員の意識を保持するためにも、プライバシー保護に関する規程やマニュアル等を整備されることを期待します。

<質の高い職員育成のために職員一人ひとりの研修計画の策定を期待します>
 施設へ入所する理由は様々で複雑であることから、子どもへの養育・支援について職員にはより高い支援技術と専門性が求められています。施設では、職員の資質向上のために研修は大切であると考えており、外部研修、園内研修への参加計画を作成していますが、計画は全体的なものであり、職員一人ひとりの計画ではありません。職員個々の能力や支援力を把握しながら、資質向上と専門性の向上を目指すうえでも、職員一人ひとりの研修計画を策定して育成されることを期待します。

<適正な人事考課の実施を望みます>
 施設では、職員の昇給や賞与については一律の基準で行っていますが、人事考課については実施していません。人事考課は、人材の能力開発や育成、職員個々の意欲の喚起、組織の活性化など、公正な職員処遇を行うためにも必要と思われます。今後、法人として検討されることを望みます。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 自己評価や書面調査ばかりでなく、子どもへのアンケートや施設見学、職員からの聞き取り調査等を通して丁寧に評価をしていただきました。
 施設としては評価結果を真摯に受け止め、今後の施設運営に活かしていきたいと思います。
 評価の高かった点については、更に充実させて参ります。評価の低かった点については、子どもの意見も取り入れながら、職員参画のもと計画的に改善に取り組んでいきたいと思います。子どもたちへより良い支援を行っていくには、職員の資質向上を図っていくことが大切なことから、マニュアルの作成、職員一人ひとりの研修計画の策定、人事考課のあり方について早速検討に入りたいと考えております。
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