【4】総評 |
特に評価が高い点:
①和歌山乳児院は、昭和31年10月に開院し和歌山で唯一の乳幼児養護福祉としての豊富な実績を持っている。地域環境の豊かな現在の場所に平成24年4月に新築移転された。施設の建物に一歩足を踏み入れると広々とした空間から、時の流れがゆったりとした雰囲気にかわる等、環境空間に工夫されている。
②さまざまな事情をかかえて入所した乳幼児たちに対して、家庭的なぬくもりを大切にしつつ、子ども一人ひとりの心に寄り添い、養育目標としいて「輝くいのち 守り育む」を掲げ、愛情豊かで、きめ細やかな関わりを持ちながら職員それぞれの職種の立場から日夜養育・支援に取り組む姿勢は高く評価できる。
③災害発生時の体制として、最新鋭の火災報知器等(外部通報システム)の設置や毎月の防災避難訓練など、常日頃から子どもたちの安全確保に施設全体で取り組んでいる。
改善が求められる点:
①中・長期的なビジョンと計画の策定について、運営理念や基本方針の実現に向けた施設の中・長期計画が策定されていない。中・長期計画を反映しての事業計画であり、行事計画であるということを十分に考慮して策定することが望まれる。
②規定やマニュアルについて、実務に必要な記録書・報告書等は作成されているが、全般的に職員の指標となる必要なマニュアル等が不足している。例えば、子どもの守秘義務は徹底されているが、プライバシー保護に関する規程・マニュアル等が整備されていない等、現在、施設長のリーダーシップで、全般的にマニュアル策定・見直し作業を行っているが、早期に規程・マニュアル体制を整えるよう期待する。 |