社会的養護施設第三者評価結果 検索

和光寮

【1】第三者評価機関名 セリオコーポレーション(有)
評価調査者研修修了番号 S15123
SK16016



【2】種別 児童養護施設 定員 80名
施設長氏名 兼子 いづみ 所在地 静岡県
URL http://www.wakoukai-net.com/wakouryou/
開設年月日 1955年07月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人和光会
職員数 常勤職員 27名 非常勤職員 7名
専門職員 保育士 11名 嘱託医 1名
栄養士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 27室(幼児3室、小学生8室、中高生16室) (イ)設備等 職員室、事務室、会議室、宿直室、相談室、食堂
(ウ) 個別遊戯療養室、集団遊戯療法室、職業指導訓練室 (エ) 小規模グループケア「和光の家」(別棟5室)
【3】理念・基本方針 施設理念:
子どもの意思を尊重し、子どもの成長と発達を育み、自己実現と自立のために継続的な援助を保証する養育を行い、子どもの最善の利益を目指す。

基本方針:
・温かい雰囲気の中で、ふれあいを大切にして、より豊かな人格を形成するための支援をします。
・子どもの健やかな成長と自立のため、発達段階に応じて、基本的生活習慣や生活技術を身に着ける支援をします。
・他人への思いやりや我慢する力を育てます。
・子どもとその家族が置かれた状況や意向を受け止め、より良い関係を築き、子ども一人ひとりが最適に生活できるように支援します。
・常に、子どもを理解し受容を心がけ、情緒の安定や大人への信頼関係を育みます。
・安全で安心な生活ができる環境を提供し、健康管理に配慮するとともに事故防止に努めます。
・子どもの嗜好や健康状態に配慮した食事の提供をします。
・学習環境の整備を行い、学力等に応じた学習支援を行うとともに、進路の自己決定ができるよう支援します。
・地域・ボランティア等との関わりや、さまざまな体験を通して、自信を持たせ、社会への適応性を高める支援をします。
・施設退所後の自立のための適切な支援を行い、必要な相談に応じます。
【4】施設の特徴的な取組 特に子どもの学習能力に合わせた学習支援体制に注力している。施設の立地条件から通塾することが困難な環境にある。高校進学を目指す中学生の受験対策として、個別指導の講師を派遣する教育機関の協力を得て施設内に学習塾を開設している。さらに意欲がある子どもには学習ボランティアの個別指導も行っている。小学生に対して学習習慣を身につけるためのグループ学習の仕組みがある。
【5】第三者評価の受審状況 2017年05月22日(契約日)~ 2017年12月28日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成26年度
【6】総評 ◇特に力を注いで取組んでいる項目:
■施設長は運営に関する法人の方針に沿って、施設内における業務の効率化等に関する経営改善等に努めている。職員とのコミュニケーションを日常的に深め改善の取組みに反映させられるよう、事務所内に施設長の席を設け、職員と同じ環境下で日常業務を遂行する、具体的な取組みを実践している。

■安心・安全な養育支援の実施に向け、感染症や災害等に対応する委員会を設置し、予防と対応に努めている。運営に大きく影響する自然災害等にも対応できるよう、事業継続管理(BCM)の観点から、リスクマネジメント(RM)の具体的な取組みや事業継続計画(BCP)の作成に着手している。

■子どもの学習能力に合わせた学習支援体制の構築に注力している。当該施設は、高等学校進学を目指す中学生が受験対策として通塾することが困難な環境の施設立地にある。その改善策として、個別指導の講師派遣を行う事業者の協力を得て、施設内に学習塾の開設を実現している。さらに意欲がある子どもには学習ボランティアの個別指導も行い、小学生に対し学習習慣を身につけるため、職員の指導によるグループ学習体制を実践している。

■国から「新しい社会的養育ビジョン」で示された養育支援の在り方から、社会的養護関係施設の今後は、大きな制度変革にさらされることとなる。地域社会との関係性の見直し等も含めて、今後の施設運営に多くの課題が突き付けられるが、施設長は、それらに対応する施設としての基本的な考え方を中・長期計画等で全職員に示し、組織的に考えて行く必要性を示している。

◇標準的な実施方法の適切な文書化に関する課題:
■支援の実施に際し、自らの知識とスキルを効果的に応用できるベテラン職員の意識レベルを、誰もが確認できるよう文書化し明確に示すことで、職員間の知識とスキルの差異を極力矮小化することが期待でき、一定水準の支援を担保することが可能となる。これまでの業務の様々な場面で、当り前の事として熟練職員が必要に応じて行動に移し、あるいは口頭で伝えて業務に反映してきた事柄を、標準的な実施方法として明文化することで、適切なマニュアル等や必要な情報をまとめたリストと共に、施設運営の体形的な仕組みを構築することにつながる。運営管理(マネジメント)の中でも、とりわけ施設の実務上必要な項目の明文化は、自立支援計画に沿って「子どもの最善の利益」を追求するうえで、欠かせない取組みである。マニュアル・手順書等が十分に整備されている当該施設であるからこそ、それらマニュアル類の再点検と必要な補完を行う、文書化の取組みが求められる。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  今回、第2回目の受審であった。
 前回の受審においての指摘・助言事項については、施設の課題として、その改善に努めてきているが、今回も新たな課題が明確にされた。今後においても子どもの最善の利益のため、施設運営に反映し、改善に取り組みたいと考えている。
 現在、当施設においては、「和光寮家庭的養護推進計画」により、養育単位の小規模化を進めているところである。今年8月、厚労省から、「新しい社会的養育ビジョン」が公表され、社会的養育の取り組みについて、具体的な数値目標により推進が図られようとしている。こうしたことから、当施設の小規模化の取り組みについては、今後の動向を注視し、「できる限り良好な家庭的環境」の実現のため、人員配置、人材育成に取り組んでいきたい。
 今回の受審により、子どもの主体性への配慮、施設運営の体系的取り組みの確立について、改めて確認をさせていただいたことに感謝したい。
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