【4】総評 |
特に評価が高い点:
①六地学園は、和歌山県の最北部に位置する自然豊かな山あいののどかな平地に昭和25年1月に開所し、更なる児童福祉の向上のために平成22年4月1日付けで社会福祉法人に移行し施設も新設され、古くから地域に根差した児童養護施設として活動している。
②運営理念の「たすけ一条」の実践を通し「陽気ぐらし」の実現を標榜する天理教の教えを基盤とし、家庭での養育が困難な児童がさまざまな背景をかかえつつも人として自分の歩む道を模索し、生きるよろこびや自己肯定感のもてる援助に全職員が心ひとつにして取り組んでいる。また、研修を通して、受け入れ、寄り添い、認めることの大切さをモットーに取り組まれている姿勢に感銘できる。
③施設長はじめ全職員が統一した支援プログラムに基づき、児童への援助の知識や技術、実践方法の専門資格を習得する等職員の資質向上に取り組み、児童養護支援における効果も認められつつある。
改善が求められる点:
①運営状況や改善すべき課題について、施設長のリーダーシップのもとでの職員への周知や意見交換の場の取り組みが十分とは言えないため、これらの体制づくりについて工夫を期待する。
②規定やマニュアルについて、実務に必要な記録書・報告書等は作成されているが、職員の指標となるマニュアル等が不足している。現在、マニュアルの策定や見直し作業が行われているが、例えば、児童のプライバシー保護に関する規程やマニュアル、被措置児童等虐待の届出・通告制度の対応マニュアル等、早期に規程マニュアル体制を整えるよう期待する。 |