社会的養護施設第三者評価結果 検索

大阪市立児童院

【1】第三者評価機関名 (特非)NPOかんなびの丘
評価調査者研修修了番号 SK18143
0701B031



【2】種別 児童心理治療施設 定員 40名
施設長氏名 野坂 猛夫 所在地 大阪府
URL http://seikazoku.com/
開設年月日 2013年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人聖家族の家
職員数 常勤職員 30名 非常勤職員 5名
有資格職員 社会福祉士 1名 保育士 2名
栄養士 1名 看護師 3名
公認心理士 2名 臨床心理士 6名
施設設備の概要 (ア)居室数 12室 (イ)設備等
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針  こどもの生命と人権を守り、ひとりひとりの存在を尊重する中で、児童と家族の情緒面の改善を図ることを目的に児童とその家族に対して心理治療や生活指導を行なう。
【4】施設の特徴的な取組 ①大舎と隣接し小規模グループケアを実施し家庭的な養育を行っている。
②大阪市時代からのノウハウを引き継ぐと共に法人のノウハウを合わせてより良い治療・指導を行っている。法人内の児童養護施設との交流も積極的に進めている。
③こどもたちを再び都会(地域)に返すために都会の中心部に施設がある。そのため保護者の方が面会及び通所利用しやすい環境にある。
【5】第三者評価の受審状況 2020年12月22日(契約日)~ 2021年10月20日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成29年度
【6】総評 ◇施設の概要
 1962年「第2の非行の波」に対応するため、全国初の情緒障害児短期治療施設3施設のうちの一つとして、大阪市によって開設されました。その後2013年度より「聖ビンセンシオ・ア・パウロの愛徳姉妹会」の創設理念を受け継ぐ「社会福祉法人 聖家族の家」が、大阪市から指定管理者として事業運営を委託されています。
 当院は大阪市中心部のビル街のビル1・2階にあり、1階は小学校分校と心理治療部門,事務所、2階は児童居室などの生活部門となっています。近隣の環境は、施設のすぐ前に公園があり、子どもたちが自由に遊ぶことができます。また、徒歩圏内には大きな公園もあり、マラソンクラブの練習などにも活用しています。スーパーや図書館なども近い位置にあり、積極的に社会資源を活用した取り組みが行なわれています。

◇特に評価の高い点
【管理者のリーダーシップ】
 施設長は、子ども一人ひとりに眼差しを注ぎ、個々のニーズに相応しい治療・支援のあり方を考え、常にその具体化に向け真摯に取り組んでいます。また、職員間の風通しも良く、良好な職場環境の維持にも心くばりを絶やさずにいることが、言葉の端々に伺えます。
【治療・支援の質の向上のためのPDCAサイクルの確立】
 年に一度自己評価を行なうことで、組織運営や支援の質の向上に向けてのPDCAサイクルを確立し機能させています。そうした環境の中、職員が統一した意識を持って子どもたちに向き合い治療・支援に取り組んでいる姿勢は高く評価できます。特に、週に1回実施している、児童への対応のありように関する、職種を超えた職員同士でのロールプレイは、子どもの尊厳を重視し、治療・支援の礎を確かなものにする重要な取り組みです。

◇改善を求められる点
【中長期計画の策定】
 指定管理のもとでの運営であることを配慮しつつも、中長期計画については、当施設の具体的なビジョンを明確にしていく重要なものであり、組織的に行なわれる策定の過程もまた、何物にも代えがたい大切な時間になるものと考えます。
【人事評価を含めた人材育成計画の策定・運用】
 子ども一人ひとりの人生・家庭背景を見据えての総合的な支援が、職員個々のキャリアを生かした高いレベルで行なわれていると認められますが、今後は、個々に求められる役割と期待値を明確にし、総合的なキャリアアップ(キャリアパス)の仕組みを構築して、施設のマネジメントとしての人材育成計画を策定していくことが望まれます。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  新型コロナウイルスの感染拡大のため年度を超えての第三者評価受審となりました。評価者の方々ありがとうございました。感染予防対策のため、保護者との交流や行事など制限がかかる生活を余儀なくされていますが、こどもの命を守ることを最優先し、その上でこども達の夢や希望へ向かうステップを応援しています。今回指摘いただいた内容を吟味し職員一同研鑽してまいります。
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