社会的養護施設第三者評価結果 検索

大阪市立児童院

【1】第三者評価機関名 (社福)大阪府社会福祉協議会
【2】種別 児童心理治療施設 定員 50名(入所40名、通所10名)
施設長氏名 野坂 猛夫 所在地 大阪府
URL http://www8.ocn.ne.jp/~holyfamy/
【3】実施調査日 2015年01月13日~2015年03月23日
【4】総評 ◆特に評価が高い点
◇児童相談所や学校との連携、協働
 児童相談所とは普段から連携を深め、年2回開催される個々の子どものケース会議にも担当ワーカーが参加して、子どもや家族の現状や課題を共有しています。そして、役割を確認しながら情報を交換し合って支援に役立てています。また、子どもや家族のことを関係者が一堂に会して話し合う「応援会議」にも児童相談所の担当ワーカーが出席して情報の共有や支援目標の共有を行っています。
 また、子どもが通う小学校は、子どもの生活空間と同じ建物の階下にあり、施設と一体的な取り組みがなされています。すなわち、毎日の朝、夕の引継ぎや情報交換は丹念に行われ、子どもの様子や状態把握に努めています。

◇小規模グループケアの取り組み
 平成26年4月より小規模グループケアを実施しています。集団生活の中で落ち着かない子どもや愛着関係未形成な子ども等を中心に、一般家庭の雰囲気をもった生活空間で、家庭的なことを体験し担当職員との個別的な関わりを保障する中で子ども間の協調性を育み、自立に向けた支援を展開しています。
 スタッフからは『実施後の子どもたちの言動が、それまでの職員の視点や考え方を大きく変化させた』の言葉が聞かれました。

◆改善が求められる点
◇中・長期計画の策定及び事業計画の職員や子ども等への周知
 中・長期計画は法人で作成されていますが、当院については、平成25年度から大阪市の指定管理を受けたばかりで、時間も経過していないこともあって具体的な中・長期計画が未策定になっています。事業展開や資金計画、人材育成など施設として今後の方向性を中・長期計画に示しながら、それに沿った事業運営を展開していくことが望まれます
 また、事業計画は、中・長期計画を反映しながら、内容も単に行事計画でなく今年度の基本方針や目標、運営計画や整備計画等今年度施設が取り組むすべての事柄についての計画が網羅されたものが求められます。また、事業計画は職員や子ども・保護者等に必要に応じて配布するとともに説明することが望まれます。

◇治療・支援の標準マニュアルの策定
 治療・支援の標準的なマニュアルについて、生活支援に関しての標準マニュアルは整備されていますが、アドミッションケアからアフターケアに至るまで、生活支援だけでなく治療面や家族療法に関すること、地域交流や支援に関すること等施設でのすべての取り組みについて、その基本的な考え方や手順等を明文化し、それに基づいた取り組みを実施することが望まれます。また、マニュアル類は、年1回検証し、見直しについて子どもの意向も取り入れて実施していますが、その時期が不確定なので定めておくことが望まれます。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 指定管理施設として2年目の運営で第三者評価を受審しました。
 評価機関からご指摘・ご助言いただいた内容については、施設全体で共有化しできることから早速取組みを開始しています。
 その他、取組み必要事項等評価を受けた内容については、事業計画に組入れて質の向上に取り組んでまいります。
 今後ともこども達の最善の利益のために、こどもの権利を保障し、安心・安全な養育・心理治療の向上に取り組んでまいります。
第三者評価結果はこちら