社会的養護施設第三者評価結果 検索

名古屋文化キンダーホルト

【1】第三者評価機関名 (株)スニックス
評価調査者研修修了番号 S18051
SK18132
地福第2250-61号


【2】種別 児童養護施設 定員 45名
施設長氏名 西川 信 所在地 愛知県
URL http://www.kpweb.jp/kinder/
開設年月日 1985年04月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 名古屋文化福祉会
職員数 常勤職員 24名 非常勤職員 6名
有資格職員 児童指導員 8名 保育士 10名
栄養士 1名 臨床心理士 3名
社会福祉士 1名 家庭支援専門相談員 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 23居室 (イ)設備等 防火水槽・グランド
(ウ) 医務・静養室・セラピー室 (エ) 地域小規模施設 「フォワイエ」「ログ・カメリアの丘」
【3】理念・基本方針 【 理念 】
「うまれてきてよかった」
 みんなでくらし みんなでそだつ
 みんなでつくり みんなでまなぶ
 みんなでまもり みんなでいきる

【基本方針】
【養護の重点課題】
 1.子どもの最善の利益(施設の理念の理解と共有)
 2.安心、安全な施設づくり
 3.生活環境の整備
 4.家庭的養護の推進
【4】施設の特徴的な取組 ・大学が近隣に多く専門家の協力を得る条件に恵まれている。ケースカンファレンスなどに於いて定期的に複数の専門家からスーパーバイズを受けている。

・近隣に長久手イオン、イケア、トヨタ博物館といった大きな企業があり、様々なイベントや家具など物品寄付があり企業の社会貢献活動の場を提供できている。

・地域の子育て支援に長年取り組んできたことや施設の移転により役所や福祉の家が近くなったこともあり、市の行政や市社協などの理解や関係が徐々に深まってきているので、今後、地域の福祉ニーズに応えられる新しい取り組みの展開が期待される。

・里親支援員は配置されていないが、以前より養育里親さんとの長いお付き合いもあり、里親開拓や里親支援を独自にやってきた蓄積があるので、今後も状況に応じて里親関係の取り組みを行なって行く予定である。

・瀬戸市に開設した地域小規模児童養護施設「ログ・カメリアの丘」には隣接して地域の年金者の会の方々の「集いの家」があるので、今後の展開の中で新しいサービス提供の場としての取り組みを模索していきたい。

・セカンドハーベスト(NPO法人のフードバンク)とのお付き合いで、商品としては販売できないが食材としては問題のない食材の提供を定期的に受けることで日々の子どもたちの食生活の充実が図られている。

・上記以外にも様々なボランティアの方々(美容師、お茶の先生、ピアノの先生等)の支援があり、子どもたちの生活の質の向上に大きく役立っている。
【5】第三者評価の受審状況 2018年09月01日(契約日)~ 2019年03月13日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成27年度
【6】総評 【総評】
 第三者評価受審毎に課題改善に努められ、「魅力ある施設」と地域からも感じてもらえるような組織づくりを目指して、日々実践に努めている。特に、地域との関わりについては力を入れており、ショートステイ事業の実施や各種イベントを開催し地域住民と交流するなど、様々な機会を通じて地域との積極的な関係構築に努めている。また、平成17年に開設した地域小規模児童養護施設「フォワイエ」に続き、平成29年には2箇所目となる地域小規模児童養護施設「ログ・カメリアの丘」を開設するなど、地域と密着した施設運営に取り組み、さらなる向上を目指している施設。

【特に評価が高い点】
(養育・支援の明確な指針)
 職員間で検討し作り上げた「援助方針等必携文書の手引き」は養育の柱となる指針であり、内容的にもわかりやすくマニュアル等も含めて多岐に渡る項目が具体的に明記されている。職員一人ひとりに配布され、養育・支援の指針として有効に活用されている。

(子どもたちの主体性の尊重と継続した支援体制)
 職員は日々の生活の中で、子どもたちと向き合う時間や話しをする時間を確保するなど、施設の理念や方針が示すように、子どもの主体性を尊重した養育体制が浸透しており、施設は自立支援の場であると同時に癒やしの場でもあると捉えている。また、子どもたちが自分の意思でビジョンを描き、就職や進学が出来るような支援に併せて、卒園後の生活も含めアフターケア体制を整えて継続的な支援を実施している。

(柔軟な支援体制)
 子どもが抱えている問題や家庭環境が多様化している中で、保育士、家庭支援専門相談員、心理療法担当職員などが連携を図り、また、時には外部の専門家の力を借りながら、枠にとらわれることなく子どもに最も良いと思われる対応方法を模索するなど柔軟な支援体制にある。

(職員の主体的な取り組みと施設長のサポート)
 様々な体制づくりや仕組みづくりなど施設の運営的な側面に関しても、現場職員が主体的な立場で参画しているボトムアップのスタイルが定着しており、風通しのよい風土となっている。また、施設長はサポート役として、職員のモチベーションを維持しながら温かく見守るという独自のリーダーシップを発揮している。

(効果的なイベントの開催)
 地域でも恒例になっている「ホルトまつり」は、学生・自治会・学校関係・市町村・卒業生など多くのボランティアの協力もあり、子どもたちだけでなく、地域住民も楽しみにしている行事のひとつである。イベントを毎年継続することで認知度も高くなり、施設の子どもたちも企画・運営に積極的に参加するなど、地域、施設の双方にとって効果的なイベントとなっている。

【改善を期待する点】
・ここ数年、ベテラン職員の定年退職が続いており、今後も退職者が予定されている状況にあるため、子どもたちの生活環境や支援体制に支障が生じないように、引継ぎや段階的な人材育成に期待したい。

・職員一人ひとりが携わる業務量の多さや領域の広さを、現在は職員の意欲と個々の質に頼っている面もあるが、今後はワーク・ライフ・バランスも検討され、職員処遇の向上にも期待したい。

・年々情報が多様化している中、成長段階に応じた正しい性の知識を伝えられるような取り組みを検討されたい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 全体としてキンダーホルトの運営や養育についての強みや弱点に対して適切な評価を頂いていると思います。ただ一部、児童養護施設の目的や措置制度について現状に一部そぐわなない設問が見受けられ、回答に苦慮することがありました。
第三者評価結果はこちら