【4】総評 |
特に評価が高い点:
①個別の課題を抱えた母子に対し、安心安全に施設で生活できるよう、きめ細かな対応が職員全員でなされている。
②子どもに対し、施設内保育や学習室支援を通じて適切な養育が保障されるなかで定期的に個別に関わる機会を設けたり、地域学校の教職員との情報共有会議を恒例に開催するなど、積極的な取り組みが実施され、こうした成果により不登校児はゼロであるという実績は高く評価できるものである。
③特別な配慮の必要な母親や子どもに対し、通院介助や服薬管理、学校への提出書類作成支援、就業につなげるための面接同行など、さまざまな分野において「生活のしづらさ」に寄り添った支援が提供されている。
④上記取り組みの成果などにより就労率100パーセントを誇り、また、就労を継続するための励ましやアドバイスなどにも時間を割いて対応している。
⑤DV被害からの緊急入所ケースなどにも各関係機関と連携をとり速やかに受け入れをおこなう体制を整備し、裁判所等への外出にも付き添うなど、DV被害者を護る取り組みは社会的にも大変尊いものである。
⑥防犯カメラや防犯センサーの設置、災害用非常袋、途切れの無い支援体制、警察等との連携等、入所者の安心安全に向け、防犯・防災の取り組みがしくみとして整備されている。
⑦職員相互の関係性は良好で、入所者の状況変化等の申し送りや対応協議などもスムーズで、適切に実施されている。
改善が求められる点:
①中・長期的なビジョンと計画について、実施する社会的養護の支援の内容や、組織体制や設備の整備、職員体制、人材育成における現状分析等、課題や問題点がみえる事業計画となるよう期待したい。
②アセスメントの見直し時期を定める、支援上の課題を再確認する、定期的にモニタリングを実施する等のしくみを構築・整備することで、より機能的に優れた計画作成が実現すると考えられる。ケース会議を開催して、情報の共有や支援の分析・検証を行い、それを記録として保管し活用することが望まれる。 |