社会的養護施設第三者評価結果 検索

すみれ寮

【1】第三者評価機関名 (一社)静岡県社会福祉士会
評価調査者研修修了番号 SK15102(H18-c007)
H8-c003



【2】種別 児童養護施設 定員 26名
施設長氏名 乙部 邦子 所在地 静岡県
URL http://www.aoikai-sw.or.jp
開設年月日 2002年09月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 葵会
職員数 常勤職員 19名 非常勤職員 6名
専門職員 社会福祉士 2名 精神保健福祉士 1名
保育士 10名 管理栄養士 1名
調理師 1名 教員 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 小舎4軒分 7室1軒 5室2軒 3室1軒 (イ)設備等 厨房(本体)・洗濯室・各軒に浴室・台所(本体を除く)・洗面所・トイレ等
(ウ) 心理室(兼静養室)・面談室・食堂3室・食堂兼キッチン1室・居間 (エ) 職員室1・事務室1 バーべキュー設備・山羊小屋
【3】理念・基本方針 「子ども一人ひとりの今日の幸せ、明日の幸せのために」
「今日の幸せのために」入所前の恵まれない養育環境に置かれた子どもに、安心、安全で快適な暮らしを提供し、受容・共感を通して虐待や親子分離によって傷ついた心を癒しながら、基本的生活環境の習得等の生活支援に努める。
「明日の幸せのために」家庭復帰または進学・就職して施設を退所した子どもに、社会への適応力を高め自立した生活を送るための様々な体験をさせることにより、社会性・協調性・忍耐力の習得等の自立支援に努める。
【4】施設の特徴的な取組 ・小規模グループケアで、すみれ寮(本体)8名(小・中学生)と預かり保育、すみれユニット(小・中学生)6名、すみれホーム(幼児・小中学生)6名、6名(天竜区二俣町に平成28年新設、高校へ通いやすい距離の確保と巣立つ準備のため高校生以上が対象)の4軒(グループ)に別れて生活しています。
・地域に保育所が少なく、地域住民の要望により「養育ママ事業」を実施しています。
・異年齢の小グループで家庭的な生活を送ることができ、近くに住む子どもたち同志では家庭と施設を訪問しあい遊んでいます。
・それぞれの家(グループ)では子どもの希望により犬や山羊、亀、ウサギ等を子どもたちが飼育し、命の教育に役立てています。
・近隣の顔なじみの住民の方たちからは菜園の野菜の育て方の指導や日常的な声掛けと見守りがあります。
・住民数が多くないため、地域行事への参加はもとより、学校へも積極的に関わり、役割を引き受ける等、施設の子どもと職員それぞれが貴重な人材となっています。
・子どもの希望はできるだけ聞き入れ、勉強では塾通いや通信教育、部活動やスポーツサークルでは職員が休日の送迎も行っています。
・退所者のフォローは家庭支援相談員を中心に期限を設けず、必要な場合は連日でも連絡を取り、安定できるまでは継続的に支援しています。
・施設が退所者の帰省場所となり,気軽に息抜きができるように心がけています。
・医療機関を受診する必要のある児童が多く、約半数が服薬を必要としており、定期的な心理的治療を受けています。
【5】第三者評価の受審状況 2017年05月30日(契約日)~ 2018年01月22日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成26年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
・小舎制の利点を生かし、地域との交流が図られています。普通の家庭と同じように、地域の子どもが遊びに来ることも多く、地域の秋祭り・七夕祭り・ほたる祭りなど自然な形で関わりを保っています。
・機関紙を回覧版で近隣の住民に配布するなど、日常的なコミュニケーションを心がけ、協力が得られる関係になっています。
・施設が主体で地域運営会議を実施し、近隣の学校関係者、地区役員の参加により、地域ネットワーク構築の取組みをしています。
・「施設だから我慢しなくてはならない」と思われがちな塾や通信教育の受講、保護者の毎回の送迎や参加費用が掛かる部活の参加、ペットの飼育等、子どもたちの希望を実現しています。
・1グループが少人数のため、職員は子どもたちと触れ合う時間が持て、小さな変化に気づきやすく、また個々の子どもの特性をよく理解し、職員同士の話し合いやスーパーバイザーの指導により早めの対応ができています。
・退所後の支援のために新しく交通の便利な地点に1グループ(1軒)を設け、リービングケアへの取り組みだけでなく、物理的な支援の実現にも取り組んでいます。
・平成28年より、グループリーダーを作り、グループ会議を開催することにより、養育・支援向上にむけて体制を構築するなど具体的な取り組みをしています。
・施設の機関紙「すみれだより」にて養育方針・養育支援の内容を紹介しています。平成27年には「すみれだより」の養育方針等にふりがなをつけ、写真なども掲載し、適時見直しをしています。
・平成28年に養育支援マニュアルを作成し、年一回10月~12月の時期にグループリーダー会議にてマニュアルを見直し、職員会議に諮ることになりました。
・支援マニュアルのひとつとして平成28年度に入所時の受け入れ方法の手順書を作成し、今年度定期及び随時の見直しをしています。
・新たに食中毒の早見表を作成し、学びの機会を増やしています。

◇改善を求められる点
・単年度事業計画の作成はしていますが、中・長期の収支計画が作成されていません。
・職員一人ひとりの育成に向けた、個別の目標の設置と、施設長の全職員の個別面接が実施されていません。
・アルバイトや実習の提供先が少なく機会が得られていませんが、一般企業労働だけでなく、公共施設や福祉事業先での労働も視野に入れる等、環境に合わせた提供先の開拓が十分とはいえません。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  2日間にわたり、施設と施設で暮らす子どもたちの様子、子どもたちと職員の関わり、地域との関わりについて熱心に見ていただきました。
 第1回目の第三者評価より前進している点、まだまだ足踏み状態のところがある中での受審でした。高評価を頂いたところは謙虚に受け止め継続発展させ、改善すべきところは課題を整理し、方策の検討を進めていきたいと考えます。
 絶え間ない24時間の日常生活を大切にし、より丁寧な養育を目指し、建設的な施設運営を実施していきたいと思います。
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