社会的養護施設第三者評価結果 検索

東光虹の家

【1】第三者評価機関名 (公社)新潟県社会福祉士会
評価調査者研修修了番号 SK18104
SK2021106
SK2021110
28015
202119
【2】種別 児童養護施設 定員 46名
施設長氏名 本間 弘子 所在地 群馬県
URL https://www.sankou-fukushikai.jp/
開設年月日 1978年12月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 三晃福祉会
職員数 常勤職員 39名 非常勤職員 2名
有資格職員 社会福祉士 4名 精神保健福祉士 3名
保育士 17名 公認心理師 1名
臨床発達心理士 1名 栄養士 3名
施設設備の概要 (ア)居室数 本体施設:1人用16部屋、2人用12部屋/地域小規模施設:1人用2部屋、2人用2部屋 (イ)設備等 本体施設:講堂、多目的室、プレイルーム、相談室、親子機能訓練室、心理室、面会室、医務室ほか
(ウ) 地域小規模施設:キッチン、リビング、トイレ、職員室 (エ)
【3】理念・基本方針 ■法人理念
創造・誠実・愛和
1 社会を愛し、人を愛し、己を愛する人格を養成する
2 和と進歩と信念に徹する人格を養成する
3 連帯と理解と奉仕でユートピアを実現する

■法人基本方針
1 人格の尊重:利用者の人格を尊重し、個人の尊厳に配慮した安心・安全な福祉サービスの提供に努めます。
2 サービスの質の向上:利用者の立場に立って良質かつ適切な福祉サービスを提供するように努めます。
3 地域福祉の推進:地域の声を傾聴し、地域とともに発展する組織を目指します。
4 説明責任(アカウンタビリティー)の徹底:法人の業務及び財務等に関する情報を開示し、説明責任を果たします。
5 トータルな人材マネジメントの実現:運営理念を明確化し、実現するために期待する職員像を明示し、トータルな人材マネジメントシステムを構築し、職員の資質向上に努めます。
6 職員処遇の向上:良質な福祉人材を確保するため、職員の安全と健康を確保し職員処遇全般の向上に努めます。
7 法令遵守(コンプライアンス)の徹底:法令、社会的ルールやモラルを遵守した運営に努めます。
8 組織統治(ガバナンス)の確立:推進する力を持つ組織作りと自ら改める組織作りを目指します。公正かつ適正な運営を可能とする組織統治(ガバナンス)を確立します。

■施設理念
あかるく
 あかるい心で恵みに感謝し、夢ときぼうをはぐぐむ
かしこく
 勉学に励み、知性を高め、常にチャレンジする
むつまじく
 家庭的な雰囲気で、仲良く助け合い調和を大切にする

■施設基本方針
1 児童の権利を守り、子どもの意向や意見を尊重した支援をします
2 家庭的な養育環境において、一人ひとりが安全で安心した生活が送れるよう支援します
3 児童の個性、能力を大切にして健やかに発達するよう自立を支援します
4 児童の早期家庭復帰に向けた親子再構築を支援します
5 ショートステイ等による地域の子育て支援、地域支援の充実を図ります
【4】施設の特徴的な取組 ・児童一人ひとりに対し担当制を設け子どもからの声、思いを受け取れるような体制を整えている。児童の担当者が孤立しないようにチームで動き周囲の職員がフォローできるよう心がけ対応している。
・法人で各種委員会(個人情報管理委員会、権利擁護検討委員会、リスクマネージメント委員会、研修体制検討委員会、人材確保検討委員会、情報公開検討委員会)を設置し、それぞれの委員会に施設から職員を派遣し業務の改善に向けて取り組んでいる。
・群馬県社会福祉施設経営者協議会に加入の法人の中からモデルBCPを策定することとなり、社会的養護関係施設として選ばれ策定することとなった。専門家のアドバイスをもらいながらBCPの策定をしている。
・SV体制のもと、OJTの充実、月1回の勉強会、階層別研修を実施し職員教育を実施している。
・職員全員がアンガーマネージメントキッズインストラクターの資格をとり養育の場で活かしている。
・権利ノートを活用し子どもへの権利擁護の学習の機会を設けられるよう権利ノート検討会を立ち上げ検討している。
・ライフストーリーワーク検討会を立ち上げ、施設内で展開できるよう取り組んでいる。
【5】第三者評価の受審状況 2022年07月12日(契約日)~ 2023年03月31日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成30年度
【6】総評 【特に良いと思う点】
○小規模グループケアを導入して子どもの成長を支えている。
 施設は平成28年の改築により、それまでの大舎制から、ユニット化による小規模グループケアを導入した。導入によりハード面からも子どものプライバシー保護が強化され、子どもの安心につながっている。また、職員が子どもの想いを丁寧に聞き取ることにより、子どもの情緒の安定が図れるよう努めている。
 施設は清掃が行き届き、職員は礼儀正しく子どものお手本となるよう心がけている。今回の第三者評価で実施した子どものアンケート調査においても、「職員はよく話を聞いてくれる、相談できる」と施設の大半の子どもが回答しており、子どもと職員の距離が近いこと、信頼関係が築かれていることがうかがい知れる。

○職員間のチームワークを活かして子どもへの支援が実践されている。
 施設長と各主任を中心として、職員はチームワーク良く子どもを支援している。経験豊富な職員が経験の浅い職員を支援し、業務を通じた職員育成(OJT)が実践されている。職員同士の円滑な関係性は、適切な情報共有によるところも大きく、子どもの様子だけでなく支援方法やポイントなど詳細部分も含めた申し送りがなされている。経験の浅い職員が、次にどのような支援が必要となるかについて経験豊富な職員からレクチャーを受けることで、安心して仕事に取り組める体制になっている。

○施設長は、職員や子ども等とのコミュニケーションを活かしリーダーシップを発揮している。
 施設長は、自らの施設で求められている専門技術や職員の姿勢等について、職員会議や日常の施設の生活場面で職員に伝えている。そのような施設長とのコミュニケーションの中で、職員も取り組むべき内容を理解し、積極的に課題解決等にむけて取り組んでいる。各主任への権限移譲も行われていおり、各種の役割分担が適切になされる体制になっている。
 このように、施設長は、施設全体で子どもの生活環境を整え、職員を確保・育成し、職員間での円滑なコミュニケーションにより共通認識を持ち、一歩一歩前に進んでいくことを大切にしている。

【特に改善が求められる点】
○子どもが自らの将来をイメージすることができる機会の提供が期待される。
 施設では子どもに公文式の学習を推奨しており、職員自身が公文教育研究会の職員による指導を受けて、子どもの学習の習熟度に応じた指導を行えるようにしている。
 施設で生活している子どもの多くは、一般家庭と比較すると、働く大人や、大学生など高度な学習をするお兄さんお姉さんとの交流・接点が少ないと考えられる。特に3年前からのコロナ禍でこのような機会はさらに少なくなっている。施設外の大人との交流や、職場・高等教育機関等への見学や実習を行うことで、「仕事とはどのようなものか」「社会人の義務と権利とはなにか」「大学はどのような学びに出会うことができるところなのか」など、自分の将来に対する子どものイメージを育て、多様な進路の選択、早いうちからの情報収集や準備につながるような、さらなる取り組みが期待される。

○子どもや保護者等の関係者に対し、施設の目標や重点事項等についての説明と協力依頼が求められる。
 施設の事業計画は係の職員が原案を作成し、施設長や各主任が内容を確認して全体をまとめる形で策定されている。しかし、子どもや保護者等への説明や周知が課題となっている。今後は、子ども自身や保護者等も計画の実践に欠くことのできないメンバーとして捉え、関係する箇所をわかりやすく説明、周知することが重要である。子どもや保護者等からの理解と協力が得られることで、事業計画のさらなる推進が図られるのではないか。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  第三者評価を受審することで組織体制、子どもの養育・支援、人材育成等改めて振り返る機会となった。施設運営の課題が明確となったと共に、職員の実践や意識が評価されたこと、入所者アンケートから見られた結果は職員の大きな励みとなった。施設で暮らす子どもたちと職員が共に成長し、職員一丸となって施設運営に努めていきたい。
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