社会的養護施設第三者評価結果 検索

東光乳児院

【1】第三者評価機関名 (特非)群馬社会福祉評価機構
評価調査者研修修了番号 SK15028
SK15079
S15011


【2】種別 乳児院 定員 13名
施設長氏名 本間 正彦 所在地 群馬県
URL http://www.sankou-fukushikai.jp/
開設年月日 2005年05月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人三晃福祉会
職員数 常勤職員 23名 非常勤職員 2名
専門職員 看護師 2名 児童指導員 2名
保育士 14名 栄養士 1名
調理師 2名 医師 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 7室、寝室、新生児室、観察室、ほふく室、診察室、事務室、食堂 (イ)設備等 調乳室、厨房、洗濯乾燥室、浴室、沐浴室
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 安穏(あんのん)
~悩みや苦しみがなく、願いが叶い、幸せに暮らせますように~

(権利擁護)
○子どもの権利を守ります。必要に応じて代弁します。
(個別対応)
○一人一人の状態を見極め、最善の利益を追求します。
(発達の保証)
○将来の自立のための基盤となるよう、安心・安全な環境を提供します。
○全てに手をさしのべる時期から、出来ることを見守り必要最小限の手助けをする時期へとタイミングを見極め移行します。
(家庭的養護の推進)
○家庭で行われていることは極力取り入れます。
(家庭・里親支援)
○家族・里親と一緒に子育てします。
(職員の資質向上)
○いつも心を穏やかに保ちます。
○すべてのことはわからないけど、わかろうとする気持ちを大切にし、学びます。
○子どもの良いモデルとなります。
(地域支援)
○地域に迷惑をかけず、お役に立てるよう心がけます。
【4】施設の特徴的な取組 ・「羅針盤」という規程・マニュアル類を集めたファイルを作成し、全職員に配布している。
・スプリンクラーを自主設置している。
【5】第三者評価の受審状況 2015年07月09日(契約日)~ 2015年10月20日(評価結果確定日)
受審回数 1回 前回の受審時期 平成24年度
【6】総評 ◆特に評価の高い点
○Ⅰ-1理念・基本方針
・施設の理念である「安穏」が職員に浸透しており、単に目標として掲げているだけでなく、施設の業務における様々な場面において、穏やかでゆったりとした時間の流れが意識されている。

○Ⅰ-3事業計画の策定
・事業計画、中長期計画が適切に策定されており、施設としての方向性、ビジョンが明確に示されている。

○Ⅱ-2福祉人材の確保・育成
・事業計画を立てる際、職員の意向を吸い上げるよう配慮されている。また、育児休暇明けで戻る予定の職員が増え、離職率が低下(改善)している。
・『福祉の職場研修マニュアル』を参考に、施設独自の研修計画を作成途中である(1~2年後に完成予定)が、非常に高い意識を持って臨んでおり、その取り組みについて全職員に周知がなされている。

○Ⅲ-1子ども本位の養育・支援
・入所時説明資料として、施設概要、個人情報保護、苦情申出窓口、中長期計画、年間行事、日課、面会等の取決めに関する情報を提供しているだけでなく、施設としての乳幼児突然死症候群(SIDS)への対応や、必要となる情報をその場で聞き取れるような一元的流れがかたち作られている。
・マニュアルが整備されており、行動や判断に迷った際、いつでも確認が出来るようになっている。
・どの職員からも「安穏」をキーワードとした発言を聞くことができ、施設全体として、子どもにとって何が必要なのか、施設が何をしようとしているのかが明確に統一されている。
・個別面談必要時には、事務所から他の職員が退室するよう心掛けるよう工夫するなど、意識の高さがうかがえる。
・いずれの評価項目についても、質問に対する回答として、「出来ていないこと」に対する発言が多く、現状に満足しない職員の向上心が感じられる。
・育ちのアルバムの作成・会議において、「子どもの良いところ」を挙げる時間を記録に残すなど、子どもが自分がどのような環境で育ちどのように愛されていたのかが後から振り返ることができるようになっている。
・措置変更時の引継ぎの手順・方法が明確で、養育の継続性が第一に考えられている。

○Ⅲ-2養育・支援の質の確保
・日々の検温や月に1度の健康診断を実施し、睡眠時には、15分おきに子どもの呼吸や体位が確認され、「乳幼児睡眠チェック表」に記録がなされている。
異常がある場合には、嘱託医、またはその他の病院へ、速やかに通院している。
通院マニュアル、危機対応マニュアル、夜勤時の緊急対応マニュアルなどを活用している。
・離乳食について、施設が4年を費やして独自に開発した「離乳食マスタープラン」を元に、咀嚼や嚥下等の状況を確認しつつ進めている。これにより、離乳食の進捗状況やアレルギーの有無も同時に確認できるよう工夫されている。
・マニュアルについて、変更点があれば改訂版を回覧する形で、全職員が確認できる仕組みが整っている。
・個人の感覚ではなく発達検査表を使用するなど、客観的なデータを用いながら子どもを養育する環境が整っている。

◆改善を求められる点
○Ⅱ-4地域との交流・地域貢献
・法人行事としての納涼祭や避難訓練の際には地域住民との交流はあるが、施設独自の地域交流は行われていない。積極的な交流を行うことで、地域で子ども達が育っていることを周囲に理解してもらうと共に、地域のニーズを把握することができ、施設の有する機能を地域に還元するような取り組みにもつながると考えられる。

○Ⅲ-1子ども本位の養育・支援
・入所後以降の保護者への情報提供に関して、これまで以上に積極的な、施設と保護者との関係構築が図れるよう期待する。
・園外保育について、月に一度は行事として出かける機会があるが、現場の職員からは「もっと気軽に外へ出掛けたい」との声も上がっているため、施設としてできる範囲での対応を工夫されたい。
・マニュアルが揃っているものの、読み込んで使いこなせているかは疑問である。閲覧等で全職員に理解を求める機会を用意するだけではなく、例えば、小グループでの勉強会・発表会を通じて、業務に関するスペシャリストを育てる、といった工夫を試みてはどうか。
・業務について、「これが出来ていない」と、問題点を自覚することができる職員の意識の高さは、素晴らしいものがある。今後は、「これは出来ている」という自信を持って良い点をアピールできる職員を育てて頂きたい。

○Ⅲ-2養育・支援の質の確保
・リーダー層を中心として施設業務の検討・立案がなされているが、入職後間もない若手職員の中にも、具体的な改善提案等ができる職員が育っていることから、現場から発信される情報や提案を今以上に吸い上げるとともに、より一層活発な、養育の改善の取り組みがなされることを期待したい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  今回第三者評価を受審し、至らぬ点が多いことに気付かされました。一方で職員が比較的厳しく自己評価をしていること、職員の知恵を集結し各種マニュアル等を整備していこうという意欲を持っていること、子どもたちのために何が出来るかを考え続け、自らのスキルアップにも励もうという向上心があることなどを改めて自覚することができました。
 今後は子ども達にとって安全・安心かつ穏やかな暮らしを創造し、少しでも地域のお役に立てるよう、第三者評価に代表される客観的な社会の声に真摯に耳を傾け、職員一丸となって施設の質の向上に取り組んでいきたいと存じます。
第三者評価結果はこちら