社会的養護施設第三者評価結果 検索

グイン・ホーム

【1】第三者評価機関名 (社福)大阪府社会福祉協議会
【2】種別 児童養護施設 定員 30名
施設長氏名 小笠原 敏有 所在地 兵庫県
URL
【3】実施調査日 2014年07月07日~2014年10月07日
【4】総評 ◇特に評価が高い点

個別支援の充実
 すでに47年の歴史を有する社会福祉法人・児童養護施設グイン・ホームは、創設時より対象である子どもたち一人ひとりの成長、発達に向けて、日常生活の場からごく自然に子どもたちが「自己選択」「自己決定」の意思を可能にすることを一貫して養育支援の基本としています。また、対象児童の個別化に向けて「集団の中の個の確立」と「最大限の自由と最小限の規律」を養育支援の二本柱の目標として掲げ、質の高い支援活動に取り組んでいます。
 個別支援の必要な児童については、支援内容を自立支援計画に記載し、一日の中で各担当を決めて実施しています。このことによって子どもの状態を的確に把握できるようになり、意欲的でまとまりのある職員集団の子どもたちに対する誠実な姿勢と合わさって、子どもとの関係も確実に向上させています。自立支援計画には実現可能な「具体的で日々確実にできることを記載する」と定め、日々の実践活動の積み上げ、また、養育支援活動のすべてへとつなげています。

施設内研修
 事業計画において職員研修に内部研修と外部研修を位置づけ、特に内部研修については長きにわたり継続的に取り組み、その研修内容が充実しています。隣接する姉妹法人との施設内合同研修となっており、養育支援の基本となる理論を緻密に体系化され、年間33回講座として実施しています。1回の講座は講義45分、質疑・事例検討30分となっており、理論を実践にどう結び付けるかということを最大の課題としています。また、同じ講座を外部に向けても発信しており、保育所、児童館、児童養護施設、特別支援学校の職員、保護者が参加されていることは、すでに定評のあるところです。
 直接支援職員が同じ講座を受講することにより、施設全体として子どもたちの発達や言動の共通理解、共通認識が深まり、日常の具体的な養育支援の場面において積極的な実践活動の展開となっています。その成果はすでに顕著なものがあります。

バイキング形式の食事
 食堂は定員30名全員が同時に食事をする場でなく、一定の時間枠のなかで子どもたちが順番に自由に食事をすることができます。より家庭的な穏やな雰囲気のなかでの3食ともにバイキング方式となっています。皿を選び、スプーン・フォーク・箸などを選び、好きなおかずを取り分ける形となっており、ここにおいても施設の方針である「自己選択・自己決定」が大切にされていて、その結果として、成功経験を積み重ねられる配慮がなされています。

18歳を越えての継続的支援
 18歳を越えても継続的な支援の必要な子どもには、児童相談所と連携して措置延長を積極的に活用して継続的な支援を行っています。

◇改善が求められる点

個人情報保護規定の整備
 子どもや保護者等に関する記録の管理について、規定を定めるなど管理体制を確立し、適切に管理をすることが求められています。今後予想される情報の保護と開示の概念の先鋭化に対応するために、記録の管理に関して個人情報保護と情報開示の観点から、その理解を深めるために職員に対し教育や研修を行うことが望まれます。

就業規則の文言整備について
 就業規則にいかなる体罰・虐待をも許さないとする文言の整備と、施設職員が加害者の当事者であった場合、懲戒解雇など厳正な処分対象となる旨の文言の明示が望まれます。 

諸マニュアルの整備
 施設運営上必要とされる下記の規程、マニュアルの整備が求められます。
・面会、外出、一時外泊にかかる規程
・子どものプライバシー保護にかかる規程
・子どもの苦情や意見の対応マニュアル
・養育支援に係る標準的実施方法

子どもの個人別アルバムの整備
 子どもの写真は、子どもが自分の成長を確認し生い立ちを整理する際の貴重な資料であることに鑑み、施設全体の取り組みとして、子ども一人一人の個別なアルバムを作成することが早急に求められます。

アフターケア体制の整備
 現在、アフターケアについては個別な対応に留まっていますが、法にも規定される社会的養護施設の責務として、施設としての組織的対応の体制構築が求められます。
【5】第三者評価結果に
対する施設のコメント
 第三者評価を受審するにあたり、職員それぞれが自己評価を行い、それを各部署で話し合ってまとめ、さらにホーム全体でまとめるという形ですすめました。その課程の中で、ホームの特徴・強い点や改善する必要のあることを認識することができ、いくつかの事項については改善に向けて取り組むことができました。
 評価については、細部まで丁寧に確認していただきました。評価の高い点、改善が求められる点がより明確になりました。高い評価をいただいた点につきましては、今後さらに発展させていくことができるよう努力を重ねてまいります。また、改善が求められる点につきましては、早速取り組みを始めております。その中のマニュアルの整備につきましては、各職員が参加し、意見を出し合いながらすすめていくことで、サービスの質の向上のみならず、チームワークの向上にもつながっていると感じております。
 今後もこども一人ひとりに合わせた支援がすすめていけるよう、継続してサービスの質の向上に取り組んでまいります。
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